「年間休日」で見る中小企業への就職基準
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就職活動をする際に、多くの人が注目する「年間休日数」。しかし実際に休日が何日あれば、休みが多いといえるのかはなかなか判断しにくいものです。
厚労省が発表する「平成28年就労条件総合調査の概況」によると、1企業の年間休日数の平均(企業から見た平均年間休日数)は108.0日、労働者1人の平均(労働者から見た平均年間休日数)は113.8日となっています。産業別にみると「情報通信業」が企業平均121.9日、労働者平均122.2日でともに最も多くなっています。反対に1番少ないのは「宿泊業、飲食サービス業」で企業平均95.7日、労働者平均101.9日です。
ネットなどで年間休日について調べると、「年間休日120日が平均的」で「120日より多いか少ないかで休暇の多さを判断する」という意見もありますが、実際の統計でみると圧倒的に120日以下の産業が多いことがわかります。企業の規模別にみてみても、1,000人以上の大企業でも企業平均115.3日、労働者平均118.3日と120日を割っています。
ただし、割合でいうと企業規模300人以上では年間休日120日~129日が40%以上で、半数程度は120日以上の休日をとっています。299人以下の企業では100~109日が最多となっています。つまり、大企業では120日前後、中小企業では100日程度が目安とも考えられます。しかし、求人票などでは「年間休日120日以上」と記載している中小企業もたくさんあります。年間休日とは正しくは1年の暦日(365日もしくは366日)から、所定労働時間(1年から休日を除いた労働日を、12カ月で割って算出)を引いて算出されるもの。求人票でみられる「年間休日120日」は、カレンダー通りに365日(もしくは366日)から土日祝日や盆・正月などを引いて算出されていることがあります。これが、厚労省調べと求人票の違いの一端といえます。
ちなみ最低限の目安としてよく挙げられるのが、「年間休日105日」です。これは、「1日8時間、1週40時間」という法定労働時間に従って算出した場合の休日数です。ただし、労基法では「毎週最低1回の休日」と「4週間を通じて4日以上の休日」を与えることしか定められておらず、年間休日が105日以下でも、法律違反ではありません。
2017年は独自の休暇制度や時短勤務制度を設置する大企業が目立ちました。今後も働き方の多様性が増加し、年間休日は増加していくかもしれません。しかし、中小企業が大企業ほど大きな「働き方改革」を打ち出すのは困難。少なくとも2018年中は、中小企業での就職を考える際には、年間休日105日以上~120日程度が1つの指標となりそうです。
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