2024年12月05日( 木 )

顧客の要望に応え続けて事業領域を拡大 自律型社員を育成し、さらなる成長を目指す

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

通信コスト削減コンサルティングほか
(株)ソリューション

九州から東日本までカバー

代表取締役社長 吉浦 裕二 氏
代表取締役社長 吉浦 裕二 氏

 (株)ソリューションは2000年2月、社名のごとく「お客さまの課題や問題の解決をすること」を事業目的に掲げ創業、来年で20周年を迎える。当初は、ビジネスフォンや複合機、電話回線などオフィスの通信関係の販売・工事、ウェブ制作などを手がけた。インターネットやデジタル化への対応が求められるといった時代背景もあり、会社は成長を続けた。しかし、同社成長の最大の要因は、やはり顧客の課題、問題解決に寄り添い続ける企業姿勢であるといえる。

 「営業マンが持ち帰ってくるのは、本業以外の相談事も多かった。しかし、これが新しいビジネスのヒントにもなったわけです」と代表取締役社長・吉浦裕二氏は振り返る。顧客に正面から向き合い、本業以外の相談も真摯に受け止め顧客の要望に応え続けた結果、ウェブカメラやネットワーク環境の構築、さらには、飲食店や美容室などの居抜き物件情報を仲介するウェブサイトの運営など事業領域も拡大した。

 事業領域の拡大と併せて、事業エリアも拡大を図った。需要の拡大に対応するため神奈川県横浜市に東日本本社を置き、福岡の西日本本社との2本社体制を採用、九州から東日本エリアまでをカバーする体制を敷いた。顧客も順調に増え、現在では約6,000社の顧客との取引を実現している。

課題・問題解決から事業が拡大してきた
課題・問題解決から事業が拡大してきた

自由度の高い社風

前向きにとらえる社員たち
前向きにとらえる社員たち

 躍進を支えた原動力となった要因の1つは、自由度の高い社風にあるといえる。顧客の要望に耳を傾けるなかで、現在の仕組みやサービスに足りないモノ、実施すべき取り組みに気づいた社員が、改善やサービスの充実、事業化の必要性について意見を上げてくる。

 そうした時、「それはできない」とか「やっても失敗する」と頭ごなしに否定するのではなく、必要性や面白さを感じることができる意見や提案であれば、やってみようと前向きにとらえる社風がある。しかも、決断までのスピードが速い。吉浦氏も「お客さまに接し、最も情報をもつ社員が上げて来る意見は尊重すべきです。また、自分なりに可能性とリスクを考え覚悟をもって事業化を提案してくる社員には、3年以上の社歴をもつ社員であればプロジェクトリーダーに抜擢することもあります」と社員の可能性を引き出す環境を整備してきた。

 そうした社員の声がきっかけで立ち上がった事業も多い。昨年から始めた外国人雇用支援サービスのきっかけも顧客の相談に応えようと社員から上がった声だった。ベトナムの高度人材を日本企業に正社員として紹介、あるいは、技能実習生として受け入れる仕組みもつくり上げ、人手不足に苦しむ国内企業をサポートしている。

やりたいことがやれる自由度の高い社風
やりたいことがやれる自由度の高い社風

顧客への付加サービスを追求

 来年20周年の節目を迎え、さらなる成長曲線を描くための事業領域の拡大は必須だが、「お客さまの問題解決のため」という思いにブレはない。

 ベトナム人の雇用支援事業は、顧客での認知も広がってきた。それにともない、求められる人材にも変化が表れている。「当初はホテルの受付や通訳業務が多かったが、今はもっと高度化してきている」(吉浦氏)。たとえば、ベトナムに将来、事務所を出したい会計事務所がある。日本で会計の正確性などを身に付けてもらい、いずれ、ベトナムで事務所を開設する際の責任者やスタッフとして力を発揮してほしいと考えて採用に至るケースもあるという。この事業には吉浦氏も大きな手応えを感じている。

 また、通信ネットワークを介して、遠隔地の顧客のパソコンを操作してトラブルや困り事を解決するサポート体制の強化にも取り組んでいる。これまで試験的に実施しながらノウハウを蓄積してきたが、需要の増加が見込め、専門スタッフの増員などで社内体制も整ってきたことから、困り事の解決だけでなく名刺や営業ツールの作成など、さまざまな付加サービスも追加していく考えだ。6,000社の顧客との関係をさらに強固なものにするとともに、大きく成長する可能性を秘めている事業だ。

週休3日制を実現したい

 「近い将来、社員が家族と過ごす時間や自己投資のための時間をもてるよう、週休3日制を実現する」と吉浦氏は断言する。そのために、AI(人工知能)や定型化されたデスクワークなどをロボットが行うRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、経理分野など社内業務の効率化を図る考えだ。

 当然、自社内のロボティクス化によって得たノウハウは、効率化や固定費削減など顧客へのサポートの一環として業務コンサルにも生かす。外部の会計事務所など専門家などとも連携しながら、中小企業のIT化をサポートする。中小企業のIT化促進は遅れており、この分野に対する需要は大きいことからも、今後の成長が期待できる。

 また、吉浦氏は「10億円の事業を担える社長を10人育て、売上高で100億円規模のグループ企業を形成したい」という夢をもっている。自由度の高い風土のなかで、社員が自己投資できる環境を整え、自分で考えて自分で決断でき、将来はそのなかから会社を立ち上げる人材が育つイメージを描いている。そのための仕組み、ルールといったプラットフォームづくりも視野に入れている。「国内だけでなく、ベトナムなど海外での展開の可能性もあります」とソリューショングループの可能性はますます広がるようだ。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:吉浦 裕二
所在地:福岡市中央区天神 5-7-3
設 立:2000年2月
資本金:9,750万円(グループ連結)
TEL:092-711-1170
URL:http://www.solution-gr.co.jp

25周年記念出版雑誌 『一樹百穫』 一覧

関連キーワード

関連記事