山本太郎氏が独自候補擁立案の真意や対米自立への道筋を語る~横須賀
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れいわ新選組の山本太郎代表は7日、神奈川県横須賀市内で市民との対話集会を開いた。他の野党が消費税5%で合意しない場合、独自候補を立てるのは「与党を利する」との声に対し、「与党側と変わらない野党側に言われても」と退けるとともに、対米自立に際しても基地で働いていた人の雇用は守り、専守防衛に基づいた平和外交を展開する考えを示した。
横須賀中央駅前デッキで予定していた会見は雨天のため急きょ、ホテル内での開催となり、同市内在住者を中心に約250人が参加した。
会場に姿を見せた山本氏は、「横須賀に来ちゃいました。小泉(進次郎・環境)大臣のお膝元に」とあいさつすると、歓声と拍手で迎えられた。
最初に報道陣から質問を受けた。立憲民主党が国民民主党や社民党、無所属会派「社会保障を立て直す国民会議」に合流を呼び掛けていることへの見解を筆者が求めると、「いいんじゃないか。野党がばらばらでは政権交代は難しい」と理解を示す一方、「ただ固まりになったからといって、勝てるか分からない。そこにはセクシーな経済政策が必要では」と笑いを取りながら、政策の一致にこだわりを見せた。
野党側が「桜を見る会」疑惑を追及するため国会の会期延長を要求している点については、与党側が受ける可能性はなく、9日に会期末を迎えると断定。日米貿易協定承認案や教職員給与特別措置法改正案を引き合いに「法案審議の途中に最大限ゴネなければいけないポイントはもっと手前にあった。会期末に来て国会を延ばそうという話は、もう実際に機能しないと思う」と形だけの抵抗を指弾した。
消費税5%で野党共闘できない場合、次期衆院選で独自に100人の候補者を擁立することが与党を利するとの批判について別の記者から見解をただされると、山本氏は「結果、そうなるかも」と否定せずに、与野党の同質性に言及。
「元は民主党。TPPや消費税を決めてきた人たち。『生まれ変わりました』と言っても有権者はそう思うか」と述べ、与野党共に緊張感を生む勢力が入る必要性を強調。「これは新しい政治勢力と古い政治勢力の闘い。与党側と変わらない野党側に言われても、そんなこと思わない」と退けた。
一般参加者から、「けちって火炎瓶」事件や奨学金、ポスター張りの意義、財源問題などについて質問があった。米軍基地で働く男性から、「対米自立が実現した場合、雇用や外国からミサイルが飛んで来るのが心配」との意見があった。
山本氏は「失われる雇用をそのままにはできない」と答え、基地を縮小・撤廃しても基地労働者の生活を保障する意向を示し、方策の1つとして公務員を増やすことを提案。1万人当たりの公務員の数が諸外国と比べて極端に低いことを挙げ、「公務員は地域サービスに重要なだけでなく、20年以上続くデフレから経済を引き上げるにも、雇用が守られなければ」と主張した。
どう日本を守るかについては、ミサイル発射は国際法違反で、できる国はまずないとした上で、「もちろん専守防衛の範囲内で迎撃できる体制は必要。ただ、そのような状況に陥らないために外交はある」と平和外交の努力を訴えた。
外交を重視する理由の1つとして、国連憲章に敵国条項があることを挙げた。「もし敵国が強制行動や武力制裁を仕掛けたら、安保理の許可なくボコボコにしていい。いわば保護観察が今も続いていて、勇ましいことを言っても戦えない。だったらジェントルマン外交を国益第一の立場からやっていくのが正しい姿」と補足した。
もう一つの理由として、現下では事実上、主権がないことを挙げた。安倍首相とロシアのプーチン大統領が30回も面談しながら北方領土が戻らない理由として、2018年11月14日のテレビニュースを紹介した。「北方領土を日本に引き渡した場合、米軍基地を置かないことを日米首脳間で公式に合意するよう求めていることが分かった」。
「約束取れと。日本には主権がないのと同じ。植民地。そこから自立していくとき、一番重要なことは何か。平和外交を基礎にするしかない」と強調した。
その手段として、自衛隊の役割にも期待。米国の世界戦略にのっとった海外派遣でなく、世界中で起こる災害救助・復旧支援に参加させることを提案。「世界中に恩を売ることで、安全保障を高めていくやり方を軸とすべきではないか」と訴えた。
<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。▼関連リンク
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