2024年11月25日( 月 )

アベノミクスの正体を暴くべきときが来た

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回はアベノミクスの神髄は庶民を苦しめて大企業の利益を拡大させることだと安倍内閣を厳しく批判した12月11日付の記事を紹介する。


 2012年12月の総選挙で第2次安倍内閣が誕生した。このときから丸7年の時間が経過する。安倍内閣を誕生させた最大の功労者は野田佳彦氏である。

 野田氏は主権者を裏切った。

 2009年8月15日に野田佳彦氏が街頭で声を張り上げた姿はいまも主権者の目に焼き付いている。

1.2009年7月14日野田佳彦氏衆院本会議討論

 

2.2009年8月15日野田佳彦氏街頭演説

 2の2009年8月15日の街頭演説は「野田佳彦のシロアリ演説」として広く知られるようになった。2012年1月に本ブログ読者が教えてくださったものを本ブログで紹介し、一気に拡散した動画である。

 2009年に誕生した鳩山由紀夫内閣は消費税増税を封印した。「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と明言した。

 官僚の天下りを根絶することなく、消費税を引き上げない。これが、野田氏が宣言した民主党公約だった。

 この公約を最初に破壊したのは菅直人氏だ。2010年6月に首相の座を強奪するやいなや、消費税率を10%に引き上げることを参院選公約に掲げた。

 この「シロアリ退治なき消費税増税」を法律として強行制定したのが野田佳彦氏である。鳩山内閣を誕生させた主権者を完全に裏切った。

 その野田佳彦氏が2012年12月に衆院総選挙を挙行した。民主党の自爆解散である。「自爆テロ解散」ではない。単なる「自爆解散」だった。

 テロなら敵に打撃を与えるが、単なる自爆だから、民主党が壊滅しただけで自民党の大勝利を大援護しただけに終わった。

 野田氏が年内総選挙にこだわった最大の理由は、小沢新党を潰すことにあった。消費税増税封印の公約を堅持する真正民主党の人々が民主党を離脱して小沢新党が創設された。50名規模の大政党だった。

 この小沢新党が新年を迎えれば相応の政党交付金を受領する権利を確保したはずだった。これを阻止するために年内選挙が強行されたのだ。

 民主党が壊滅的崩壊を演じることは自明だった。かくして野田佳彦氏が安倍晋三氏に大政を奉還し、丸7年が経過するのである。

 安倍内閣が長期化しているのは安倍内閣の業績によるものではない。野党が民主党政権崩壊の総括をいまだに実行できていないからだ。

 誰が民主党政権崩壊をもたらしたのか。その総括ができていない。

 年末に向けて野党合流が叫ばれているが、民主党破壊に寄与した功労者が主導権を握る幹部に加わっているようでは展望が開けない。

 2012年12月からの7年間。安倍首相は「アベノミクス」が成功したかのような説明をするが、国民生活の視点から見てアベノミクスはまったく成功していない。日本経済は長期低迷を続けているだけでなく、先行きの展望も真っ暗だ。

 人々が欺かれている最大の理由は株価が堅調に推移していることにある。かつて株価は経済全体を映し出す鏡の存在だった。ところが、2000年以降、その因果関係が消滅した。消費税大増税が実施され、日本経済は不況の坂を転げ落ち始めた。かつての因果関係が存在するなら、株価が下落基調を強めるはずである。 

※続きは12月11日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「アベノミクス下株価が堅調推移する真の理由」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

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