2024年11月25日( 月 )

【記者座談会】消費増税、反動減長期化か~2019回顧と展望(3)

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九州流通業界の主な再編
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4位 祐徳、SMから撤退

 ――4位は祐徳自動車の食品スーパー(SM)事業からの撤退。5店舗のうち1店を閉鎖し残る4店をアスタラビスタに譲渡した。

 C 祐徳は本業のバス・タクシーなどの運輸事業以外にホームセンターを手がけ、集客を兼ねてSMに進出していた。しかし、規模が小さいため競争に勝つのは難しいと見て引受先を探していた。

 A 店舗網の拡大を狙っていたアスタラビスタとの思惑が一致した。アスタラは福岡県筑後地方と佐賀県南部で15店を展開し、祐徳のSMを収めることで営業地域を佐賀県西部に伸ばし、ドミナント効果も期待できる。通常は客が離れるのを防ぐため買収した企業の店名を継承するが、すべて「ユートク食品館」から「アスタラビスタ」に切り替えた。

 B アスタラビスタはイ草を手がけるイケヒコ・コーポレーションが親会社で、ユニード出身の松永修代表取締役会長が育て上げた。松永氏は売上高200億円にするのが目標だったと言い、ユートク買収で念願に近づく。

5位 イズミ、マルヨシと提携

 ――今年は再編の動きが少なかった。そのなかで11月、イズミが四国・高松市に本社のあるマルヨシセンターと資本業務提携し持分法適用会社にした。

 C マルヨシは東証二部上場で、四国3県でSMを展開し、前期の連結営業収益は401億円。MV西日本と経営統合したマルナカと競争してきたが、経常利益は1億6,800万円と3期連続減益で、最終損益は5億2,500万円と2期連続赤字で苦戦していた。提携はイズミから持ちかけたと言い、マルヨシも窮状打開は単独では困難と判断した。

 A イズミは徳島県のSM、デイリーマートを傘下にもち、マルヨシをグループに加えればドミナント構築につながる。議決権ベースで18.82%を保有する持分法適用会社にとどめたのは創業家に配慮したためで、スーパー大栄の場合と同様、最終的に連結子会社、さらに完全子会社にすると思われる。

 C イズミが四国でM&Aを狙っていたのはイオンの攻勢に対する危機感からだ。イオンは買収したマルナカグループをMV西日本と経営統合させることを決めたのに続き、昨年10月にはフジと資本業務提携した。イオンがフジに約15%出資する一方で、フジがMV西日本株をイオンから取得するというもので、ゆくゆくはMV西日本と統合し、四国大連合に発展することが取り沙汰されている。そうなると、イズミの目と鼻の先に1兆円企業が出現し包囲されるかたちになる。

イオンの攻勢に危機感

 ――座視するわけにはいかないだろう。

 C イズミとフジは宿命のライバル。両社とも母体は広島市を本拠とする衣料品問屋で、スーパーに転換してからも激しい競争を繰り広げてきた。フジは利益もしっかり上げている優良企業だが、地盤の四国では拡大が難しくなっている。親会社のアスティがスーパー事業に執着していない事情もあると見られる。

 A ただ、イズミは子会社スーパー3社の収益が落ち込んでいる。上期は3社とも2月期に続き減益と苦戦した。ゆめマート北九州の8月中間期はユアーズの福岡・山口県店舗の継承で営業収益は前年同期比67%増になったが、営業利益は8,200万円と57%の大幅減だった。イズミとの仕入統合の効果が一巡し、店舗の競争力の弱さが露呈した。3社とも収益の立て直しを迫られている。

(つづく)

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