「北九州市とNTTドコモとの連携協定」キックオフイベント(前)
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2020年1月24日、北九州市(市長・北橋健治)と(株)NTTドコモ九州支社(九州支社長・山崎拓 以下、ドコモ)は、「5G、ビッグデータの活用によるSDGs達成に向けた連携協定」を締結した。これを受け同日、小倉城天守閣(北九州市小倉北区)にて「5G×北九州 近未来の最前線ミートアップ」キックオフイベントが開催され、5G関係者や、地元北九州のスタートアップ企業、一般の参加者など80名におよぶ来場者によって、小倉城天守閣の最上階が埋め尽くされた。
岡 本日はお集りいただきましてありがとうございます。皆さまがいらっしゃるここは、小倉城の天守閣です。小倉城といえば、これまでお昼間の観光の拠点でしたが、夜間もこのように利用させていただいて、新しい取り組みやこれからの北九州の将来に関することを皆さまと共有しながら、今後の北九州を考えていく、今日はそのような会の1つです。
今年の春より商用開始される5G、この大きな情報インフラになる5Gを北九州市でも利用するために、みんなと考えながら新しいものをつくっていきたいと思っています。本日、北九州市とドコモが連携協定を結んだことは、次世代、近未来につながる相応しい内容になっています。新しい時代を迎えるにあたり、方法論や哲学などいろいろなものを総じて推進していかなければ、追いつかないと思います。今日は見えないところを見える化することが狙いであり、「5Gのことを誰よりも知って、次のビジネスの準備をする!」という主旨でこのイベントを開催します。
「史上最もアクティブな連携協定にしたい」~全国初の実証実験開始
安永 ドコモとの連携協定においては、史上最もアクティブなものにしたいと思っています。こんな協定見たことないと市民の皆さまに思ってもらえるような、常に動き続けている連携協定にしたいと思っています。協定の内容としては、
(1)データ分析によって「まち」を見て、「持続的な経済成長」につなげていきます。(2)5G時代はコンテンツが大事になると考えており、小倉城や平尾台、関門海峡などの歴史的・文化的資源をどのようなコンテンツにしていくか、オンラインのなかで資源の良さを表現していきたいと思っています。
(3)社会がデジタル化していくなかで、情報リテラシー向上が大事になります。個人でいうとIDやパスワードをしっかり管理していき、便利な暮らしを享受しているからには、データ社会に対しての向き合い方、基本的な素養はみんながもつべきだと思っています。
(4)そしてすべては持続可能なSDGsの観点で取り組んでいきます。
取り組みについては、
(1)全国初の取り組みである「官民データ連携を見据えたEBPM(データ証拠に基づく政策立案)に関する実証実験」を行います。お客さまの許諾を得たデータのなかで、ドコモがもつデータと北九州市がもつデータを掛け合わせて、何が見えるかという実験で、昨年1年間で蓄積したデータを、今年2~3月にかけて解析してもらい、北九州市の観光振興などにおける政策立案に役立てていきます。(2)「5Gを活用したワーケーションによる移住、定住の促進」。ワーケーションとは、ワークとバケーションを組み合わせた造語になりますが、北九州市の交通結節拠点・小倉駅の北側に「5G」や「XR(※)」を活用した、仕事とリフレッシュ休暇が体験できるワーケーション環境を今年夏ごろまでに設置する予定です。人口の拡大を促進し、将来的な移住・定住者の増加を目指します。【※XRとはCross Realityの略で、VR(Virtual Reality/仮想現実)、AR(Augmented Reality/拡張現実)、MR(Mixed Reality/複合現実)、SR(Substitutional Reality/代替現実)などの先端技術の総称。5Gの活用でよりリアリティの高い体験が期待される】
(3)「最先端技術を活用した観光客や市民へのサービス向上」では、この小倉城において「XR」を活用した実証イベントを行い、他所では得られないような体験を提供することで集客につなげる狙いで、秘密基地の岡代表を中心にコンテンツをいろいろと考えてもらい、このまちの魅力を伝える取り組みを行います。
(4)「市民や経済界における情報リテラシー向上促進」については、デジタル社会において個人・企業が何を身につけるべきかが重要になってきます。ただ生きているだけでも、取り巻く環境は激変している。その事実を個人や企業がいかに理解しているか、意識して行動を変えていくのか、そんな機会はまちのなかにはなかなかない状態です。
ですから、地方都市である北九州市でIoTやAI技術、5Gなどの最先端技術に関するセミナーや体験会などを行うことで、触れて感じて考えてもらうきっかけをつくっていきたいです。今後、社会のデジタル化はますます進化し、これから100年という長期スパンでの「データによるまちづくり」が始まっていきます。ビッグデータとは何なのか知り、扱ううえでのリスクを学び、見えてきたデータをしっかりと使う姿勢を、まちの皆さまと共有していきます。私たちの願いをお伝えしますと、ドコモのブランドビジョンで「いつか、あたりまえになることを。」というスローガンがありますが、私はこの言葉がとても好きです。行政がやるべきことはまさにこれだと思っています。現在のこと、近未来のことをわかりやすく見せて伝えていき、市民、企業ができるだけ早く最新のテクノロジーやサービスを知って感じて考えて、当事者として行動するきっかけをつくっていきたいと思っています。ぜひ、皆さま一緒に新しい社会をつくっていきましょう!
次回、「北九州市と一緒にブルーオーシャンに乗り出していく」(株)NTTドコモ・本高祥一氏(法人ビジネス本部・法人ビジネス戦略部長)をお伝えします。
(つづく)
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