これからのカードは指紋センサー搭載カードに(後)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏
同社が開発した指紋センサー搭載カードは、既存の金融機関のクレジットカード向けのカードだけでなく、未来の電子身分証明書など、幅広く活用されていくことになると李代表は強調した。
そのような兆しはすでに世界各国で見えており、出入りカードだけでなく、指紋認証が幅広くいろいろな分野で活用されようとしている。
IT業界は指紋認証をはじめ生体認証市場を未来の成長産業として注目し、各国政府もこの市場を先取りしようと、力を入れ始めている。その結果、多くの国では生体認証技術をベースにした身分証明書などを導入するため、システムを準備している。
フィジーとルーマニアは電子身分証明書を発行するためのシステムを準備中で、早晩既存の身分証明書と代替されることになるだろう。ルーマニアの場合、新しい電子身分証明書で、ヨーロッパの国々を自由に回ることができるようになるというので、電子身分証明はヨーロッパにも普及していくようになるだろう。ジャマイカの場合、生体認証技術をパスポートに採用しようとしている。
業界では、生体認証市場規模を約170億ドルと見込んでいる。この市場を先取りするため、米国、日本、ヨーロッパの大手企業を中心に、合従連衡もスタートしている。各国政府もこのような動きを積極的にサポートすると同時に、この技術の導入拡大を目指している。
マスターカードは最初に指紋センサー搭載カードを承認し、今後、銀行業界にも指紋センサー搭載カードが相次いで導入されることが予想される。マスターカードが新しいカードを承認したことは、このカードの安定性が認められたとみなされ、技術の安定性が実際に立証されれば、ますますこれを利用する個人、企業、政府が増加するものと思われる。
具体的な事例を1つあげよう。フランスの企業であるタレス(Thales)はマスターカードと提携し、指紋センサー搭載カードの大量生産を進めており、大きな事業に成長することになるだろう。同社は既存のカード30億枚を2021年までに指紋センサー搭載カードに変える計画である。
マスターカードは、このような事業をアジアをはじめ、ヨーロッパ、アフリカまで展開する予定である。全世界カード市場の60%シェアをもっているビザカードも例外ではない。ビザカードは今年開催される東京オリンピックに生体認証の決済システムの採用を計画している。
ビザカードとマスターカードはセキュリティーを強化した指紋センサー搭載カード市場で激突することになるだろう。大きなチャンスをめぐって、カード業界では急激な変化が起きようとしている。各国政府もこれを後押ししているため、今後、指紋センサー搭載カードの市場が大きく成長するということに異論はないようだ。
(了)
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