注目される福岡不動産
「福岡はまだこれからのまち。国外に目を向けた国際都市として発展していくべきだと考えています」──福岡市中心部でホテルをはじめとした不動産開発を多数手がけるK.ホールディングス(株)の代表取締役・倉橋高治氏は語る。
倉橋氏は次のように続ける。「九州は世界で36番目に大きな島であり、まだ多くの可能性が眠っています。東アジアや東南アジアに近く、観光資源も豊富です。当社としても、それを世界に認知させる一助となるべく事業を進めています」。
同社は福岡市内で賃貸マンションやオフィスビル、テナントビルの開発を手がけ、その多くを国内外の不動産ファンドや事業会社へ売却してきた。近年、とくに注力しているのがホテル開発だ。同社が手がける物件規模は30~40億円程度で、このクラスのアセットは主にリートやファンド(外資を含む)が投資対象とする。大手事業用不動産サービス会社CBREのレポートによると、2025年の日本の事業用不動産投資額は前年比31%増の6.5兆円となり、過去最大だった07年(5.4兆円)を大きく上回り、過去最高を更新した。背景には、外資系ファンドによる日本不動産への評価の高まりがある。投資対象エリアも従来の「東京・大阪」から「東京・大阪・福岡」へと広がり、福岡への注目も高まっている。
投資を九州に広げる好機
倉橋氏は、「福岡が注目されているのは間違いありません。これを九州全体へ広げていく好機だと捉えています」と話す。同社は25年、半導体工場の拡張・新設が進む長崎県諫早市において、全170戸の賃貸マンションを開発し、国内の大手インフラ系企業などへ売却。福岡以外の九州エリアへの投資を促した一例となった。
さらに、「100億円規模のファンドを組成したい」というニーズに対しては、「福岡の20~30億円規模のホテル3棟に加え、九州の物件を組み込む」といった提案を行うなど、九州全体へ資金を循環させる取り組みも進めている。
一方で、課題も指摘する。「福岡、九州のポテンシャルは疑いませんが、国際都市にふさわしいインフラはまだ不足しています。世界に誇る都市となるには、ハブ空港・ハブ港が不可欠です。福岡空港は都心から地下鉄で数分という優れた立地ですが、ハブ空港としては限界があります。政治の役割ではありますが、将来の九州、日本のためには思い切った決断が必要です」。
春吉を変えるホテル開発
同社が開発に力を入れるのが春吉エリアだ。北は国道202号(国体道路)、南は住吉通りに挟まれ、天神やキャナルシティ博多へのアクセスに優れることから、インバウンドを含め宿泊需要が高い。一方で、ラブホテルの存在などから「暗い」印象が残るエリアでもある。
同社はこのエリアでラブホテル跡地2カ所を取得し、ファミリーやグループなど4~8名対応可能なホテルの開発を進めている。「春吉エリアでは10棟ほどのホテル開発を進めています。“天神の奥座敷”と称される西中洲のようなまちにしていきたい。まずは当社のホテルからまちのイメージを変え、将来的には石畳や街路樹を整備し、家族で安心して歩ける落ち着いたまちへと変えていくのが夢です」(倉橋氏)。
開発中のホテルは、これまでと同様に売却を前提としている。「福岡および九州に投資を呼び込むため、当社は開発事業に特化しています。ゼネコンやホテルオペレーターなど、多くの関係者に支えられて成り立っています。とくに当社は、竣工前に売買契約を締結するフォワードコミットメント方式が中心であり、信頼できるパートナーの存在が不可欠です」(倉橋氏)。
最後に倉橋氏はこう締めくくった。「九州のポテンシャルをいかに顕在化し、国内外市場を広げるか。そして資金をいかに循環させるかが重要です。九州が好きだからこそ、人口減少にあっても地域を守り、維持していくために微力ながら尽力していきたい」。
【永上隼人】
<COMPANY INFORMATION>
代 表:倉橋高治
所在地:福岡市中央区大名2-2-7
大名センタービル6F
設 立:2006年9月
資本金:1,000万円
TEL:092-406-8495
FAX:092-406-8496

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