2024年12月22日( 日 )

フードバンクくるめ~「今」こそ、活動継続!

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 世界で「貧困と格差」の拡大が続いており、それは日本においても例外ではない。現在、子どもの7人に1人が貧困状態にあり、ひとり親家庭では約50%が貧困状態だという。福岡県久留米市の就学援助率は26.8%(2018年)。これを貧困の指標だとすると、実に子どもの4人に1人が貧困状態にあるということになる。
 日本では2,550万トンの食品廃棄物が出ており、このうち、まだ食べられるにもかかわらず廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は、612万トン(いずれも、消費者庁HPより)と言われている。この「食品ロス」の削減と貧困問題の橋渡しをしているのがフードバンクだ。

浦川 豊彦 氏

 フードバンクくるめは、代表である浦川豊彦氏が母親から相続した遺産を次世代に投資すべく、2017年4月に設立した。浦川代表は獣医師で、医学博士でもあり、英国、ケニアへの留学・研究実績を持つ経歴の持ち主。福岡県では、2013年のフードバンク北九州、2016年のフードバンク福岡、ふくおか筑紫に次ぐ、4番目の設立となる。現在、福岡県とエフコープの支援を受けて、一般社団法人福岡県フードバンク協議会を設立。新規の食品寄贈企業の開拓、寄付の受け入れなどでフードバンク間の連携を進めており、各地のフードバンクがそれぞれの地で支援団体や個人に食料品などを無償提供している。

 支援団体は、こども食堂14、地域食堂6、児童福祉施設1、障害者福祉団体5と障害児デイケア2、無料塾1、社会福祉協議会5、子どもの居場所1、母子家庭団体2、路上生活者支援団体2など、およそ40団体にも上る。毎年、取扱量も確実に増え続けており、2017年3トン、2018年14トン、2019年には24トンを取り扱ってきた。(※直接個人宅への配送は実施していない)

 フードバンクくるめの特徴は、広い倉庫(約150坪)を自身で所有しているということだ。この倉庫があるおかげで食品のストックから搬送までスムーズにできる。この倉庫は、浦川氏の母親の相続遺産をもとに購入したものだ。個人や法人からの寄付は、もちろん貴重な運営費となるが、浦川氏個人の手出しも少なくないという。また、実際の倉庫での作業もすべてボランティアに頼むしかなく、順風満帆というわけではない。むしろ「茨(いばら)の道」としか言いようのない状況だ

 現在の最大の悩みは、やはり、運転資金。寄付の文化がなかなか日本に根づいていないということもあるが、この倉庫には、通常の法人と同じ固定資産税が適用されており、お金を生む事業ではないにもかかわらず、運営が厳しい要因の一つとなっている。

 フードバンクくるめが支援する団体の支援相手は、母子家庭や、収入が低い個人が中心だ。今回の新型コロナウイルスの影響は、そのような人々にこそ深刻なものとなっている。だからこそ「今」、フードバンクの重要性が一層増している。活動を「今」止める訳にはいかないのだ。

■フードバンクくるめ 
住所:福岡県久留米市城島町城島689-2
TEL:0942‐62‐2896 
URL:fb-kurume.com
携 帯:080―6118―5285(浦川)

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