2024年12月26日( 木 )

「コロナ恐慌革命」以降どうなるのか(1)~70代経営者は引退

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現在、水面下で「コロナ収束以降の社会はどうなるのか?」という議論が紛糾している。おそらく「コロナ蔓延から収束に向かう時期」を後世(近い時期)では、「現代の始まり」と呼ぶようになるだろう(この見解については後日、触れる)。このシリーズでは今後、社会、政治、経済体制などが、どうなっていくのかレポートしていきたい。

不屈の経営者たちが自粛・事業マインド消失

 72歳の経営者Aは1週間のうち3日、東京で陣頭指揮を執っている。「いやぁ、東京で70代以上の経営者たちが、コロナに恐れおののいている姿を見ると情けない気持ちになる。感染すれば寿命が縮まる。だから『自宅にこもっている』とボヤいているのだ。あれだけ『生涯現役』と公言していたエネルギーは雲散霧消してしまった。もう、これで現役引退は確定してしまったようなものだ。これらの世代の経営者たちは一挙に経営から退陣するだろう。若手世代にとっては千歳一隅のチャンス到来だな?」と語る。

 さすがに豪快なAも頭が上がらない連れ合いがいる。「あなた!物好きもほどほどにしなさい。東京に行くのであれば即刻、離婚よ」と詰めよられたので、来週から当分、上京はストップした。

 上記で「?」をつけた意味は「客観的にみれば若手台頭の時代だが、現実問題、どこに該当者がいるのか」という強い疑問を抱いているからだ。歴史を紐解くと1945年8月、日本は戦争に負けた。マッカーサーは各部門の指導者たちを追放。財閥指導部連中も経営の中枢部から駆逐された。

 確かに日本には「情けない現実」がある。政治の世界でも「リスク管理能力ゼロの安倍首相に取って代わる人材がいるのか!自民党に代わる政党があるのか!」というものだ。

 若手経営者層も同じこと。設立以来、若手層を牽引してきたソフトバンク=孫正義氏もコロナの波にのみこまれようとしている。最悪の事態が発生すれば、次期中枢を担おうとしている若手経営陣にとってショックなことになる。慰めの言葉は、ただひとつ。「コロナ恐慌革命は長い道のりになる。そこで鍛えられた世代が育ってくるだろう」という言葉しかない。

オムロン元社長立石氏、コロナによる死去のショック

 福岡で親しい経営者たちに連絡すると、大半が自宅に閉じこもっているようだ。Bは「事務所、ホテルを完全にシャットアウトしており、会社に出勤できないので自宅にいる。運動不足にならないように大濠公園を歩いている。コロナ自粛は長期的な覚悟がいると踏んでいる」と先を見すえている。

 「ただ、とんでもない情報が飛び込んできた。尊敬するオムロン元社長・立石義雄氏が死去したというニュースだ。ただの訃報ではない。80歳の故人が急逝した原因がコロナ感染によるものと報道されている。このニュースを耳にして我々、同世代の経営者たちは暗い気分になってしまい、経営から身を引いていくものと予想できる」と故人・立石義雄氏の強大な影響力について語ってくれた。

 だが、奇特な経営者もいる。77歳になるC氏は今日もまた、朝8時に工場に出勤していた。「受注が多すぎて若手設計士を5名ほど増員するつもりである」と意気軒昂。

(つづく)

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