「コロナ恐慌革命」以降どうなるのか(9)~軍・官僚の無責任ぶり変わらず、「残滓国民」の無関心・傍観主義(後)
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前回、「国民、市民の意識がチェンジした。自己主張を始めた」と指摘した。これについて安倍政権は必ず「脅威の念」を抱き始めるだろう。「うかつなことはできない」という緊張感を持たせれば、彼らも真剣に国家経営に専念するようになり、成長させる要因ともなる。
一人の女子高生が「9月入学に変えてほしい」という意見をだしたことがきっかけとなり、雪崩を起こすがごとく「9月入学の導入」という意見が大勢を占めることとなった。
生活の知恵が湧かない、現実に対応する“脳みそ”がない
安倍首相は政治家一家の3代目である。安倍首相に限らず、一般的に世襲議員は何の苦労もせずに育ってきた者が多い。安倍首相は東京生まれの東京育ち。政治家にならなければ、これほど頻繁に山口県長門市にある先祖の墓参りに訪れることはなかった。狙いは「選挙対策」である。この地区の有権者も「おらが故郷の代表者だ」という「血筋」で支援するのはいかがなものかな!
こうしたボンボン育ちの2代目はおろか、3代目、4代目の国会議員が珍しくなくなった。人の痛みもわからず、国民のために尽くすことも知らず、国会議員にまでのぼり詰めた。
こうした世襲議員に共通するのは「生きるか死ぬか」の人生(ビジネス人生)の修羅場をくぐり抜けた経験がないということだ。だから「コロナ襲来」という、とんでもない非常事態に直面すると、うろたえるばかりで現実に対応するための「脳みそ」がはたらかない。頼れるのは「おべっか使いの側近」ばかりである。しかし、この「おべっか使いの側近」が緊急事態において知恵を巡らすことができるかというとそうでもない。育ちは安倍首相と同様だからである。「ここは首相に覚えめでたしの知恵を授けよう」と発奮して策を進言するが、全くピントがずれており、後手にまわってしまった。その結果、安倍政権のコロナ対策への批判が高まることになった。
側近を適材適所に活用することもできず、提案された策の有効性を見極める目もない。最後は専門家集団による「好き放題の対応策」を吟味できずに振り回される(医学界における感染症分野は日の目を浴びない存在。“コロナ襲来”で「いよいよ俺たちの出番」と張り切りすぎている)。こういうもろい、解決への道筋が見えていないまま、コロナ対策が打ちだされ、国民が翻弄されているという現実を皆さんに知っていただきたい。
9月入学の機運が高まってきた背景
明治維新以降、入学式は9月に行われていたそうな。当初は何でも西欧の文化に倣っていたから9月入学は自然の流れ。ところが1886年に4月から3月までを会計年度と決定したことで、翌年から教育養成学校の入学が4月となる。加えること軍隊の入隊届開始が4月からとなった。これに「右にならえ」と4月入学が主流となり、小学校などの各学校が4月に切り替わったのは大正初期のようだ。
30年前(1990年)あたりからグローバル教育を重視する教育関係者が「世界で主流となっている9月入学を導入すべきである。そうすれば重複負担が緩和される」と主張しだした。重複負担というのは1年留学、1年ホームステイした場合、1年プラスされて高校の場合は4年間かけて卒業しなければならないという弊害である(20年前は高校でホームステイする場合、9月にアメリカなど海外の学校に入学、翌年7月に帰国、9月新学期には1年からやり直しとなり、通算4年かけて卒業するしか選択はなかった)。
自粛政策が導入されて学校も自宅学習を始めた。そして5月末まで自粛が継続される。4月10日前後、別件で取材した大久保久留米市長は「今後、オンライン授業が主流になるだろう。流れに任せるのでなく、注力すべきである。ただ子供たちの20~30%は落第するだろう」と述べていた。
長期間にわたる自粛の弊害があらわになってきたので、9月からの新学期導入で仕切り直しという「土俵設定」が煮詰まっていた。これを「機が熟した」というのだろう。そんな状況下、ある女子高校生の「ぜひ9月入学制度に切り替えてほしい」という提案が浸透していったのである。おそらく「9月入学導入」実現の可能性は高いとみる。
どうして女子高生の意見が容認されたのか!わかりやすく言えば安倍政権自身、また教育関係者(文科省関係者)たちは大久保市長の指摘していた「子供たちの教育落ちこぼれ」策の解決案に困り果てており、「渡りに船」という心境で飛びついたのではないか!
国民、市民のみなさまは今回の「コロナ襲来」で「安倍政権に身も心も預けていると身も家族も滅びてしまう」という厳しい現実があることをご理解できただろう。
女子高校生のように自分の声をあげる訓練をしていこう。「コロナ様」に反抗せず「無関心・傍観主義」を貫く“悪しき体質”を洗い清めましょう!
(この項了)
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