【コロナに負けない(42)】コロナ対応製品への柔軟な対応が奏功~(株)ヒデトレーディング
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帽子・ベルト製造のヒデトレーディングにもコロナ禍は降りかかり、3月売上高は前年比15%ダウン。ところが4月に18%増の「V字回復」をはたした。救世主となったのが急きょ取りかかった布製マスク製造だ。
ベトナムの自社工場と中国の委託工場で製品をつくっている同社では、2月の段階で中国産製品はもちろん生地も入手できなくなっていた。3月に入ると日本での販売への影響もでてきた。その後も販売低迷が続くのは火を見るより明らかだった。
こうしたなか同社は、マスク不足に着目。ひとまずベトナムの帽子工場で少量を製造し、ネット上で販売してみたところ、たちまち完売。徐々に製造量を増やしていくと、つくるとすぐに売れていったため、ベトナム工場での本格製造に乗り出し、ネット通販と小売店向け卸販売の体制を充実させた。
同社の布製マスクは3枚セットなど複数セットで販売しているが、当初は生地調達が追い付かず、色や素材がバラバラの組み合わせだったが、次第に調達が安定し、色やデザインも整備されていった。
拡大した製造ラインのマスク比率は現在100%。時間の経過とともに商品へのニーズも多様化し、当初はレギュラーマスクのみだったが、暖かくなるにつれて花粉対応商品が増加。梅雨が近くなった現在は撥水タイプのものも増えている。直近では涼感タイプの商品を投入し、購入者が増えている。また、関連商品はマスクカバーやゴム紐、耳当てなどにも広がっている。
今回の柔軟な対応を可能としたのが、過去に経験した逆境や取り組みだ。ベトナムに独資で進出したのも1つ。始めは国民性や習慣の違いもあり、コスト負担に見合う生産性がなかったが、品質・製造量ともに安定した後は全商品の7割を自社工場で賄えるようになった。マスクの少量のテスト製造や大量製造への切り替えがスムーズに行えたのも自社工場だからこそ。
昨年、インターネット販売に注力していたこともプラスに働いた。大量の一般ユーザーへ認知してもらうための広告や物流体制の構築など、費用に対する効果を得られない懸念もあった取り組みが現状を支えている。
5月に入ってもマスクの好調は続いているが、競合他社による新規参入が続いている。また現在の特需がどこまで続くか不透明だ。代表の鈴木哲也氏は「今年の業績は見通せない。眼前のことに取り組むのみ」とコロナ禍と向き合っている。帽子の在庫は昨年の段階で1年間販売できる量を確保していた。自社工場や物流体制が柔軟に対応できた経験を糧に本業の事業環境が回復した際の体制を同社は整えている。
<COMPANY INFORMATION>
(株)ヒデトレーディング
代表 :鈴木 哲也
所在地:福岡県福岡市東区多の津1-11-11
設立:1993年5月
資本金:1,000万円
TEL:092-629-8850 /
FAX:092-629-8851
URL:https://hides.co.jp/※同社布製マスクは以下の店舗で販売されている。
【楽天市場店】
・サニプレ
・オレボ
・シュラフ
【Yahooショッピング】
・アミカル法人名
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