2024年12月25日( 水 )

瓦屋さんの高笑い 職人さんがいない 修理まで2年は辛抱を!!

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台風10号、北部九州の被害甚大の怖れ

 台風9号の吹き返しは強力であった。昨夜11時から今朝3時までかなり強烈な風が吹き返していた。仮にこの台風の進路が東に50kmずれていたならば福岡市周辺ではかなりの被害を出していたであろう。屋根瓦が飛ばされていた戸建住宅の数が続出していたと思われる。

 思うにこの5年間、台風による災害に関して、実際のところ福岡地区は非常に恵まれていた。台風がこの地区を直撃するという最悪のコースをとらなかったからである。
 しかし!次の台風10号の成長度合いが恐ろしい。急激な勢力になりつつある。何といっても予想される進路が最悪だ。福岡、佐賀、長崎などの北部・西部九州地区に大災害を起こす可能性のあるコースが示されている。最近の進路予想は非常に的確になっているから厄介だ。ほぼ当たっているため、心配なのである!

 瓦屋のオヤジが高笑いをしている。「台風10号によって抉られる瓦屋根の被害数は想像を絶する」と予想する。

 振り返ってみて、福岡地区周辺での屋根瓦の台風被害で思い出されるのはまず1978年9月の台風襲来の時である。修理完了が年末までかかったと記憶している。86年の台風襲来の際にも同様に被害がでていたと記憶する。92、93年の台風襲来の際にも屋根瓦が飛んだ。瓦屋のオヤジが断言する。「台風10号による被害が甚大になることは間違いない。それに加えて職人が減った。そのため、修理完了まで年越しを覚悟することが必要となるであろう」と。

大阪、千葉では2年越し放置されたまま

 2018年8月の台風は大阪地区に莫大な被害をもたらした。関西国際空港が高波に襲われたことは記憶に新鮮に残っている。戸建の屋根被害は前代未聞の損害金額に上った。友人の保険査定士は語る。「損保が負担した金額は11年の東日本大震災を上回ったようだ。そのため、損保は経営危機に陥り、保険料を値上げした」とそうだ。

 被害が出た住宅の補修はまだ完了していない。テントを被せた住宅があちこちに残っている。2年経過しても放置されている状況だ。それから1年後、東京湾のなかに台風が巧妙に廻り込み、千葉県の住宅が軒並み瓦を吹き飛ばされた。

職人がいない

 高笑いのオヤジの顔色が冴えない。「仮に相当な被害がでても対応が難しい。なぜかというと抱えている職人が少ないからだ」と実情を説明してくれた。(1)まず現場での作業は体力を消耗するため、60歳が限度。(2)大手ハウスメーカーの屋根は瓦が少ないため、瓦職人は日当を稼げずに職種転換していた。そのため、緊急事態に備えるには職員の数が圧倒的に足りない。

 そのため、被害を受ける可能性のある方々は「福岡を直撃するという最悪のコースから離れていただきたい」と必死で祈願するしか方策はない。もし被害を被ることになったならば、修理に最低6カ月かかるものと覚悟をするしか道はない。

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