東京オリンピックに間に合うか?激化する新型コロナ・ワクチンの開発競争(前)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年9月25日付の記事を紹介する。
世界では依然として新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大に歯止めがかからず、感染者数はついに3,000万人を突破した。死者も100万人を超えている。とはいえ、感染者の数を誤って130万人も余計にカウントしていたイギリスの健康保健省や、死因を新型コロナウィルスと報告したにも係わらず「94%が別の原因であった」ことを認めたアメリカのCDC(疾病対策センター)の不正確な対応などが発覚したこともあり、戸惑うことも多い。アメリカでは死亡診断書にコロナが原因と記載することで、政府系保険から病院に補助金が支給されるため、数字が水増しされているとの指摘も出ている。
一体全体、どこまで各国政府の発表するデータや専門家と称される人々の発言を信じてよいものか。やたらと不安感を煽り、ワクチンの開発と接種を急がせるための「製薬メーカーの陰謀ではないか」といった声まで出始めている。とはいえ、アメリカを筆頭に、インド、ブラジル、ロシア、イギリス、フランスなど多くの国々では、感染の嵐が吹き荒れていることは否定のしようがない。
そのため、一刻も早く治療薬やワクチンの開発が求められている。実際、アメリカ、ドイツ、イギリス、日本、中国、台湾など各国の研究者や100社近い製薬メーカーが開発レースの真っ最中である。
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トランプ大統領は11月までにはワクチンの開発宣言をすることで、再選を確実にしたい意向のようだ。いわゆる「オクトーバー・サプライズ」であり、イランや中国との戦争の可能性も取り沙汰されているが、安全性が担保されないまま、緊急事態ということで、欧米メーカーの開発したコロナ・ワクチンを大統領令で承認しようという動きすら顕在化しつつある。
(略)
なぜなら、新型コロナウィルスの影響で1年延期された東京オリンピック・パラリンピックを2021年7月23日から開催するためには、来年早々にはワクチンを是が非でも確保せねばならないからだ。当初、東京オリンピック組織委員会の会長を務める森喜朗元総理は「コロナを抑えるワクチンが準備できなければ、2021年の東京オリンピックはありえない」と中止の可能性に言及していた。安倍前首相も国会での答弁において、「来年のオリンピックを成功裏に開催するにはコロナ・ワクチンの開発が最重要課題となる。
※続きは9月25日のメルマガ版「東京オリンピックに間に合うか?激化する新型コロナ・ワクチンの開発競争(前偏)」で。
著者:浜田和幸
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