カジノ×ゲーム×オンラインで新市場の形成目指す、中村龍道氏の挑戦(3)
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カジノと聞くと「ギャンブル」のイメージが先行するが、それはあくまで利用者側の視点。運営者側から見れば、一口にカジノと言っても、「総合金融サービス業」などさまざまな事業領域を兼ね備えたハードとしての魅力がある。しかし、施設内で提供されるサービスである限り、使用できる空間には限度がある。「国境を越え、世界中の人々に娯楽を」。この思いのもと、中村龍道氏が目指したのがカジノ×ゲーム×オンラインだった。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役 児玉 直)
中国での経験が契機に
――デジタル社会の在り方に、興味関心をもつきっかけは何だったのでしょうか。
中村 すでにデジタル決済が基本である中国での経験が大きかったです。中国を拠点にビジネスを始めて間もないころ、商店で両替をお願いしたら、カードを手渡されてこれで電子決済しろと言われました。
中国というマーケットに身を置きながら、いかに自分が遅れているのかを思い知らされました。それでも、元中華人民共和国国務院総理の趙紫陽(ちょう しよう)氏のご子息や多くの大物政財界の方々と交流するなど、ご縁には恵まれました。
上昇志向の強い中国人に囲まれてビジネスを続けるなかで、私のなかで変わらなかったのが「社会貢献事業をしたい」という思いでした。中国の友人たちにその思いを話すと「社会貢献事業はありがたいが、稼がないことには続かない。だから死ぬほど稼ぎ、そのなかから社会貢献活動をしなければならない。順序を勘違いしてはいけない」と言われました。
このとき、私のなかで稼ぐ、儲けるということへの認識が変わりました。(つづく)
【文・構成:特別取材班】
<プロフィール>
中村 龍道(なかむら・りゅうどう)
1969年6月生まれ、鹿児島県出身。95年、大手土木・建築資材販売・レンタル企業で経験を積んだ後、起業。地元鹿児島を拠点に飲む温泉水の販売、温泉水を使用した基礎化粧品の販売を展開し、成功をおさめる。その後、2004年に中国に渡り、当時としては珍しい日本人向けのナイトクラブを4店舗運営。現地で評判になると同時に、その経営手腕が高く評価され、06年、中華人民共和国・趙紫陽(ちょう しよう)元総理の実子、趙衛國氏らの協力を得てマカオ特別行政区で事業を開始する。
以降、マカオを中心に北京、大連などで精力的に事業を展開。地元鹿児島産の製品やサービスの中国市場での定番化にも尽力した。10年代に入ると米国・ラスベガス市場に参入。ZANN CORPORATIONを買収し、カジノ総合事業を中心としたリゾートプロジェクトやインドネシア、香港、マカオ、中国、台湾などの企業と共同で多岐にわたる事業をスタート。香港、シンガポールでクルーズ事業ZANN CASINOクルーズをグランドオープンさせると、業種の垣根を越え、アパレル、不動産開発などで数々の実績を残す。
現在もマカオ、アジアを中心に、地域振興による世界平和と繁栄を目的として、清濁併せ呑む覚悟をもって活動している。
ZANN CORPORATION Chairman、中華人民共和国陝西省韓城人民政府顧問。法人名
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