【USAID閉鎖】イーロン・マスク、官僚機構の「あがき」を目の当たりに
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2025年2月18日、米FOXニュースの看板番組「ハニティ」で、司会のショーン・ハニティがドナルド・トランプ大統領と実業家のイーロン・マスクに独占インタビューを行った。ホワイトハウスから放送されたこの対談は、政府の官僚機構、財政の無駄遣い、マスク氏の改革への取り組みを主題とし、保守派の著名司会者ハニティが両氏を迎えて政治・経済課題を掘り下げた内容として注目を集めており、2月21日現在のYou Tube動画の視聴回数は72万回を超えている。
インタビュー動画の主なポイント
1. 官僚機構の抵抗
マスク氏は、「連邦官僚機構は大統領とその内閣に強く反対している」と指摘。大統領の指示が適切に実行されない現状は、「国民の意思が反映されず、民主主義ではなく官僚主義(ビューロクラシー)が支配している状態だ」と述べた。トランプ氏も、改革に対する官僚機構の抵抗は激しく、現在の動きはまるで「あがき(thrashing)」のようだとの見解を示した。
2. 財政の無駄遣いと非効率
政府の財政運営に関して、両者は「過剰な支出と無計画な契約が蔓延している」と批判。トランプ氏は、自身の大統領時代に新型エアフォースワンのコストを 17億ドル削減 したと主張した。また、一時的な契約が長期化するケースが多く、不要な支出が膨れ上がる実態を指摘。「契約は数か月間の予定で結ばれたはずが、何年も続くことが常態化している」と述べ、財政の健全化が急務であると訴えた。
3. 「有能さ」と「思いやり」の必要性
マスク氏は、政府のコスト削減には 「有能さ(competence)」と「思いやり(caring)」 が不可欠だと主張。多くの官僚が適切な費用交渉を行わないため、政府は本来支払うべき以上の金額を負担していると指摘した。トランプ氏も「単に交渉するだけで、政府支出を半減できる」と述べ、官僚機構の怠慢が財政の無駄を助長していると非難した。
4. 規制による開発の遅れ
トランプ氏は、規制当局が建設・製造・インフラの発展を妨げている と批判。「規制当局の過剰な介入が、新しい技術やインフラ整備の進展を遅らせている」との見解を示した。また、環境問題を名目にした規制強化が経済活動の阻害要因となっているとし、「真の環境問題とは関係のない理由で、発展が妨げられている」と述べた。
5. メディアと政治的対立
トランプ氏とマスク氏は、MSNBC、CNN、CBSなどの主流メディアに対し、「偏向報道を行っている」と強く批判。特に、反対勢力がトランプ政権を「憲法違反」と糾弾する一方で、「実際に憲法違反を犯しているのは彼らの方だ」と反論した。メディアの報道姿勢についても「公正さを欠き、特定の政治的意図に基づいて情報を操作している」と非難した。
6. 官僚改革と政治戦略
両者は、「民主主義を取り戻すために、官僚機構の非効率を排除する必要がある」と主張。トランプ氏は、選挙に勝利することが「改革の始まり」に過ぎず、それ自体が目的ではないと強調。「選挙で選ばれた指導者の意向を反映させる仕組みを取り戻さなければならない」と述べ、政治改革の必要性を訴えた。
全体のメッセージ
トランプ氏とマスク氏は、「官僚機構が選挙で選ばれた指導者の意思を無視し、民主主義を損なっている」 との認識を示した。政府の無駄を削減し、規制を簡素化し、官僚機構の影響力を抑制することが不可欠であると訴えている。マスク氏は、自身を「改革者」 と位置づけ、トランプ氏の官僚改革を全面的に支持する姿勢を明確にした。
インタビュー動画の日本語翻訳
(00:00)
ハニティ:
皆さん、「ハニティ」へようこそ。今回はホワイトハウスからお届けします。トランプ大統領とイーロン・マスクへの独占インタビュー、第2部です。どうぞご覧ください。
さて、これは大きな話題です。数百万ドル、いや数十億ドル規模の問題――とにかく巨額な取り組みについてですが、あなたたちは今、多くのことを進めていて、止まることなく続けていますよね。そしてイーロン・マスク氏と協力している。その結果、民主党からはこんな批判が出ています。「誰もあなたの政策に投票していない」「閣僚候補にも誰も賛成していない」「ドージの削減で人が死んでいる」とか。さらに、「ドージのやっていることは違法だ」「これは憲法の危機だ」なんて声も。
ここで反論の機会を差し上げます。なぜ彼らはこんな強い反応を示すのか。そもそも、こうした批判を気にしてますか? それとも、まったく意に介さないんでしょうか?
(00:48)
イーロン・マスク(以下、マスク):
もし私たちが役に立たないことをしていたら、こんなに文句を言わないはずです。つまり、私たちが的を射ている正しいことをやっているからこそ、こんな騒ぎになるんだと思います。本当の目標は、大統領を通じて「国民の意思」を取り戻すことです。でも現実には、選挙で選ばれていない巨大な官僚機構があって、大統領や閣僚に激しく抵抗しているんです。
たとえば、ワシントンD.C.の投票を見てください。92%が民主党支持ですよ。すごい数字ですよね。だから、ここじゃ私を支持する人はほとんどいません。共和党員には厳しい場所です。92%って、ほぼ全員が反対ってことです。でも、大統領が国民を代表しているのにその意思が実行されないなら、国民の意思も反映されない。それって民主主義じゃなく、官僚支配ですよね。私たちが民主主義を取り戻そうとするなかで、官僚機構が“あがいている”姿が今見えているんです。わかりますか?
(01:54)
ハニティ:
ええ、もちろんです。大統領、私たちは番組でもプライベートでも、建国の父たちや憲法についてよく話してきました。憲法秩序や大きな変革の視点で見ると、今の動きは本当に“光の速さ”ですね。ただ、建国の父たちの理念は「政府の権限を制限し、国民の自由を拡大する」こと。そして、あなたの目標には「無駄や不正を減らす」という方針もあるでしょう?
トランプ大統領(以下、トランプ):
その通り。私は優秀な人材を集めたかったんです。そこでイーロン・マスクの実績が思い浮かびます。ホワイトハウスで少し会ったことはありましたが、当時はよく知らなかった。でも、彼は厳しい状況を乗り越えて、ゼロから自動車会社を立ち上げ、大手メーカーより優れた車をつくった。これはすごい偉業ですよ。当時はその凄さが今ほどわからなかったけど、今は成果がはっきり見えます。私は“すばらしい人材”が欲しかった。彼はまさにそれで、有能で思いやりもある。よくケア(思いやり)って言葉を使いますね。
たとえば、政府機関で3カ月の契約のはずが、担当者が辞めて誰も管理せず、10年も支払いが続くケースがあるんです。すると、その人は何年もお金を受け取り続ける。賄賂で契約を取ったのか、裏があるのかもしれません。そんな例がたくさんあって、もっとひどいものもあります。総額は数十億ドル、いや何千億ドルになるかも。無駄や不正が山積みなんです。イーロンはそれを見抜いて、すばらしい仕事をしてくれています。彼には若くて頭のいい「High IQの人」が集まり、国を愛する気持ちも強いから、簡単にごまかせません。
彼はケアを大事にしてます。私もエアフォースワンを買うとき、57億ドルと言われたのを17億ドル値下げさせました。でも、ボーイングは納期を守れていません。昔はアメリカが1日に船を1隻づくる勢いだったのに、今は1隻でも大騒ぎ。国を立て直さないとね。ただ、規制当局が邪魔で、何を進めるにも時間がかかります。環境を理由に止めようとしますが、実際は関係ないことも多い。権力を誇示したいだけか、正しいと思ってるのかわかりませんが・・・。
そういえば、リー・ゼルダンなら許認可を劇的に改善できる。10年かかる判断を1カ月で済ませるかも。彼は優秀で、いい仕事をするでしょう。
(06:01)
ハニティ:
ニュート・ギングリッチも似たことを言ってました。トランプがこの国をここまで導き、今が変革のチャンスだって。官僚制を打破できれば、最も重要な政権になるかもしれない。でも、「まだ終わってない」とも言いますよね。それはどういう意味ですか?
マスク:
選挙に勝っただけでは、システムが直ったわけじゃないんです。勝利は「システムを修復するチャンス」を得ただけで、ここからが本番。民主主義の力を取り戻す機会なんです。面白いのは、攻撃してくる側が「憲法違反だ」と騒ぐとき、実は自分たちの不正をこちらに押し付けてくることです。よく見ると、憲法を踏みにじってるのは彼らの方だったりします。それが彼らの手口ですね。
(07:12)
トランプ:
その通り。彼らはすぐ「憲法違反だ」っていうけど、憲法のことなんてわかってない。ただの見せかけで、国にとって危険ですよ。メディアもひどい。MSNBCは普段見ませんが、敵を知るためにたまに見ると、傲慢で嘘だらけ。陰謀論をまくし立てて憲法を持ち出すけど、本気じゃない。CNNも同じで、普通の質問に敵意を込めてくる。偏見がひどすぎます。PBS、AP通信、CBSも似たようなもの。最近、CBSがカマラのインタビューで、20分前の回答を消して別の回答に差し替えた。そんなやり方、初めて聞きました。
ハニティ:
時間がないので、海外の無駄遣い(USAIDとか)は深掘りしませんが、何時間でも語れるくらいですよ。
(09:00)
マスク:
大統領がいうように、納税者の負担を減らすには有能さ(competence)と思いやり(caring)が必要です。エアフォースワンの高額見積もりを大統領が交渉で下げたように、やらなければ50%増しで払ってました。彼がケアと有能さを発揮したから、国民にいい結果が得られたんです。
トランプ:
昨日も話しましたが、数千の請求書から1つ取っても、「5,000ドルは高い、3,000ドルで」と交渉すべき。請求側は値切られる前提で高く出すのが普通だから、少し粘れば半額近くになることもあります。でも、官僚はやりません。1万ドル請求されても、そのまま払う。「5,000ドルしか払えない」といえば、「安すぎる」といわれるかもしれないけど、交渉で5,500ドルくらいに落ち着く。それで大幅削減ですよ。でも誰もやらない。これは取引の技術じゃなくて、気にかける気持ちの問題。思いやりと有能さがあれば結果は違います。両方ないと、国民はひどい目に遭う。実際、納税者は長い間そんな状態でした。
マスク:
前の政権を見てください。有能さや思いやりがあったか? ジョーの認知能力、国境の安全、オバマケア、全部嘘。めちゃくちゃでしたね。
(インタビュー動画おわり)
発信元:FOXニュース
米FOXニュースの看板番組「ハニティ(Hannity)」は、1996年に放送を開始し、現在は平日午後9時(米東部時間)から1時間放送される政治討論番組である。同局を代表する長寿番組として知られ、保守派の視聴者を中心に高い人気を誇る。番組では、政治、経済、社会問題を扱い、ゲストとの対談や解説を通じて議論を展開。ホワイトハウスからの独占インタビューなど話題性の高い企画も特徴だ。
司会のショーン・ハニティは、1961年12月30日生まれの保守派ジャーナリスト。ラジオパーソナリティとしてキャリアを積んだ後、1996年に「ハニティ&コルムズ」の共同司会者としてテレビ進出。同番組終了後の2009年より単独で「ハニティ」を担当し、現在に至る。トランプ元大統領との親交が深く、強い支持を表明する一方、リベラル派からは偏向報道との批判も受ける。鋭い質問と率直な意見で知られ、米メディア界で影響力を持つ人物として注目されている。
インタビュー動画オリジナル
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