カジノ×ゲーム×オンラインで新市場の形成目指す、中村龍道氏の挑戦(7)
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カジノと聞くと「ギャンブル」のイメージが先行するが、それはあくまで利用者側の視点。運営者側から見れば、一口にカジノと言っても、「総合金融サービス業」などさまざまな事業領域を兼ね備えたハードとしての魅力がある。しかし、施設内で提供されるサービスである限り、使用できる空間には限度がある。「国境を越え、世界中の人々に娯楽を」。この思いのもと、中村龍道氏が目指したのがカジノ×ゲーム×オンラインだった。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役 児玉 直)
カジノゲーミングとの出会い(つづき)
――そこで共同メーカーから身を引いたのですか。
中村 はい。ただ、完全に身を引いたわけではなく、カジノ業界には引き続き身を置いていて、カジノを含む香港のクルーズ船事業にも携わりました。サービス内容としては、香港を夕方出航し、ディナーやショー、またはカジノを楽しみ、一泊して帰ってくるというものです。カジノにも多様な在り方があると知ることができて、いい経験になりました。
海上クルーズカジノの経験を経て、新たなノウハウを得た私は、陸に戻ってきました。そこでパートナーを通じて「ジャンケットビジネス」と出会います。ジャンケットというのは、世界各国の富裕層(VIP)をカジノへ招待し、航空券からホテルや食事の手配などの、滞在中の身の回りの世話を請け負う総合サービスです。お客さまの資金が尽きた場合には、貸し付けを行うこともあります。このジャンケットビジネスを提供している企業のパートナーの募集があり、応募しました。これが、今から2年半程前の話です。
パートナーと聞くと、日本では一緒にやってくれる人ぐらいの位置づけですが、世界では「共同経営者」なんです。重みが違う。世界を舞台にチャンスを求めている人たちからすれば、パートナーは共同経営者になることなので、飛躍の契機という認識があります。もちろん、経営に失敗した際の責任も負います。実際、海外ではパートナーと紹介した際に席順が変わることも珍しくありません。世界のビジネスシーンでパートナーと紹介することは、それだけの意味合いをもつのです。
(つづく)
【文・構成:特別取材班】
<プロフィール>
中村 龍道(なかむら・りゅうどう)
1969年6月生まれ、鹿児島県出身。95年、大手土木・建築資材販売・レンタル企業で経験を積んだ後、起業。地元鹿児島を拠点に飲む温泉水の販売、温泉水を使用した基礎化粧品の販売を展開し、成功をおさめる。その後、2004年に中国に渡り、当時としては珍しい日本人向けのナイトクラブを4店舗運営。現地で評判になると同時に、その経営手腕が高く評価され、06年、中華人民共和国・趙紫陽(ちょう しよう)元総理の実子、趙衛國氏らの協力を得てマカオ特別行政区で事業を開始する。
以降、マカオを中心に北京、大連などで精力的に事業を展開。地元鹿児島産の製品やサービスの中国市場での定番化にも尽力した。10年代に入ると米国・ラスベガス市場に参入。ZANN CORPORATIONを買収し、カジノ総合事業を中心としたリゾートプロジェクトやインドネシア、香港、マカオ、中国、台湾などの企業と共同で多岐にわたる事業をスタート。香港、シンガポールでクルーズ事業ZANN CASINOクルーズをグランドオープンさせると、業種の垣根を越え、アパレル、不動産開発などで数々の実績を残す。
現在もマカオ、アジアを中心に、地域振興による世界平和と繁栄を目的として、清濁併せ呑む覚悟をもって活動している。
ZANN CORPORATION Chairman、中華人民共和国陝西省韓城人民政府顧問。法人名
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