カジノ×ゲーム×オンラインで新市場の形成目指す、中村龍道氏の挑戦(8)
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カジノと聞くと「ギャンブル」のイメージが先行するが、それはあくまで利用者側の視点。運営者側から見れば、一口にカジノと言っても、「総合金融サービス業」などさまざまな事業領域を兼ね備えたハードとしての魅力がある。しかし、施設内で提供されるサービスである限り、使用できる空間には限度がある。「国境を越え、世界中の人々に娯楽を」。この思いのもと、中村龍道氏が目指したのがカジノ×ゲーム×オンラインだった。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役 児玉 直)
カジノ×オンラインの実現に向けて
――世界のビジネスシーンで得た経験を基に、いよいよカジノ×ゲーム×オンラインへの挑戦が始動します。
中村 日本ではカジノといえば、ギャンブルであり、グレーな世界をイメージする人が大半でしょう。しかし、世界規模でみれば実に140カ国以上でカジノが国策事業として運営されています。私はカジノの世界の良い側面も学んできましたので、その点を広めていければと考えています。カジノはエンドユーザーから見ればギャンブルでも、運営側からみれば総合金融サービス業としての側面もある。企業も雇われている側と雇っている側では、見方が180度変わります。それと同じです。何事も双方の視点から見る必要があるのです。
カジノに悪いイメージが付きまとっているのは事実ですが、「カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致を進めている日本は悪い国なのか」と問いたい。また、すでにカジノを運営している国は悪い国なのかと。マカオの収益源はカジノです。これで国が、国民が潤っているという事実もある。世界からVIPを呼び込める金融ビジネスとしてのカジノ、またはIRという認識ももってもらえればと感じています。
カジノやカジノに関連するビジネスに参画している企業には、世界のトップ企業が多い。日本の大企業もIR誘致にともなう事業者グループに名乗りを上げています。そうした企業が悪い存在なのかといえば、決してそうではありません。あくまで収益に期待できるビジネスの一形態であることを理解していただきたいと考えています。
(つづく)
【文・構成:特別取材班】
<プロフィール>
中村 龍道(なかむら・りゅうどう)
1969年6月生まれ、鹿児島県出身。95年、大手土木・建築資材販売・レンタル企業で経験を積んだ後、起業。地元鹿児島を拠点に飲む温泉水の販売、温泉水を使用した基礎化粧品の販売を展開し、成功をおさめる。その後、2004年に中国に渡り、当時としては珍しい日本人向けのナイトクラブを4店舗運営。現地で評判になると同時に、その経営手腕が高く評価され、06年、中華人民共和国・趙紫陽(ちょう しよう)元総理の実子、趙衛國氏らの協力を得てマカオ特別行政区で事業を開始する。
以降、マカオを中心に北京、大連などで精力的に事業を展開。地元鹿児島産の製品やサービスの中国市場での定番化にも尽力した。10年代に入ると米国・ラスベガス市場に参入。ZANN CORPORATIONを買収し、カジノ総合事業を中心としたリゾートプロジェクトやインドネシア、香港、マカオ、中国、台湾などの企業と共同で多岐にわたる事業をスタート。香港、シンガポールでクルーズ事業ZANN CASINOクルーズをグランドオープンさせると、業種の垣根を越え、アパレル、不動産開発などで数々の実績を残す。
現在もマカオ、アジアを中心に、地域振興による世界平和と繁栄を目的として、清濁併せ呑む覚悟をもって活動している。
ZANN CORPORATION Chairman、中華人民共和国陝西省韓城人民政府顧問。法人名
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