カジノ×ゲーム×オンラインで新市場の形成目指す、中村龍道氏の挑戦(10)
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カジノと聞くと「ギャンブル」のイメージが先行するが、それはあくまで利用者側の視点。運営者側から見れば、一口にカジノと言っても、「総合金融サービス業」などさまざまな事業領域を兼ね備えたハードとしての魅力がある。しかし、施設内で提供されるサービスである限り、使用できる空間には限度がある。「国境を越え、世界中の人々に娯楽を」。この思いのもと、中村龍道氏が目指したのがカジノ×ゲーム×オンラインだった。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役 児玉 直)
カジノ×オンラインの実現に向けて(つづき)
――貯まったポイント、つまりCOINを法定通貨に交換するのは、ユーザー側の自己判断になるわけですね。
中村 貯まったCOINをそのままゲームで使うのか、暗号資産に交換するのか、あるいは法定通貨に交換するのかは、ユーザーの自己判断です。デジタルウォレットはあくまで決済手段です。これまでのオンラインゲームの楽しみ方は、課金することで良いアイテムを手にして、攻略しやすくする、または対戦相手を倒すというものです。しかし、課金は課金でしかなく、自己満足の域を出ません。いずれは飽きがきます。では市場としてどう伸ばしていくか。たどり着いた答えが課金の先の交換でした。
仮に、1,000万円を賭けて、それ以上のリターンを手にできれば、それは収益となります。世界の総合ゲーミング市場は、数百兆円どころではないでしょう。マカオだけで年間の賭け金が約40兆円といわれていますから。カジノで大負けした人に「大丈夫ですか?」と聞くと、平然と「(国に)帰ってビル1棟売ればいいから」という。コロナ禍で移動に制限ができた今、総合オンラインゲーム市場に日本が誇るパチンコ&スロットをテーマにしたゲームを呼び込むことで、そういう世界の人々をユーザーにできればと考えています。「次世代型ワールドオンラインゲーム市場」へのゲーム提携に関しては、すでに国内外の複数社からオファーを受けている状況です。
「次世代型ワールドオンラインゲーム市場」は今後、世界中のユーザーを対象として、24時間365日体制のサービス提供を行う予定だ。また、同サービスで得た収益の一部は独自の国際基金を通じて、世界の社会貢献事業の発展のために寄与される。
「次世代型ワールドオンラインゲーム市場」を足がかりとした、世界に向けた新たな次世代型のeスポーツ&総合オンラインゲーム市場の形成。中村氏の挑戦は見事に結実するのか、今後の動向が期待される。
(了)
【文・構成:特別取材班】
<プロフィール>
中村 龍道(なかむら・りゅうどう)
1969年6月生まれ、鹿児島県出身。95年、大手土木・建築資材販売・レンタル企業で経験を積んだ後、起業。地元鹿児島を拠点に飲む温泉水の販売、温泉水を使用した基礎化粧品の販売を展開し、成功をおさめる。その後、2004年に中国に渡り、当時としては珍しい日本人向けのナイトクラブを4店舗運営。現地で評判になると同時に、その経営手腕が高く評価され、06年、中華人民共和国・趙紫陽(ちょう しよう)元総理の実子、趙衛國氏らの協力を得てマカオ特別行政区で事業を開始する。
以降、マカオを中心に北京、大連などで精力的に事業を展開。地元鹿児島産の製品やサービスの中国市場での定番化にも尽力した。10年代に入ると米国・ラスベガス市場に参入。ZANN CORPORATIONを買収し、カジノ総合事業を中心としたリゾートプロジェクトやインドネシア、香港、マカオ、中国、台湾などの企業と共同で多岐にわたる事業をスタート。香港、シンガポールでクルーズ事業ZANN CASINOクルーズをグランドオープンさせると、業種の垣根を越え、アパレル、不動産開発などで数々の実績を残す。
現在もマカオ、アジアを中心に、地域振興による世界平和と繁栄を目的として、清濁併せ呑む覚悟をもって活動している。
ZANN CORPORATION Chairman、中華人民共和国陝西省韓城人民政府顧問。法人名
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