【IR福岡誘致特別連載11】国際金融都市構想にとってIR誘致開発はベストシナリオ(2) ~ポイントは海外投資企業の実行税率の軽減!
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既報の通り、高島福岡市長の肝煎りで発足した国際金融都市構想を目指すための産学官組織「Team Fukuoka(チーム福岡)」が、これからこの目的に向けてどのような戦略を企てていくのか筆者は期待している。
すでに説明したように、「福岡IRの誘致開発」を実現することが国際金融都市構想という目的を達成する最短の道だ。一般的に「カジノ=ギャンブル依存症」とうがった見方があるが、今回はこの理由を詳しく説明する。
Las Vegas Sands(ラスベガス・サンズ、以下、Sands)、MGM Resorts International(MGMリゾーツ・インターナショナル)、Hard Rock(ハードロック)、Melco Resorts(メルコリゾーツ) などのGaming Operator(ゲーミングオぺーター)と呼ばれるカジノ企業、IRの海外投資企業は、グローバルな視点では、それぞれが巨大な「国際金融業者」である。 多くの日本人がカジノ企業に対してもっている博徒、賭博業者としてのイメージは、日本のみで見られる完全に誤った見方だ。
たとえば、国際金融都市・シンガポールの市街地セントーサ島(福岡でいうアイランドシティ)には、有名なSands、Marina Bay Sands(マリーナベイ・サンズ)を筆頭に世界中のIR・カジノ企業がひしめきあっている。
衰退しつつある国際金融都市・香港にも、その市街地の近郊にジェットホイルなどの整備された交通インフラにより短時間で訪れることができる「マカオのカジノ群」がある。これらのIR企業は、すべて国際金融業者でもある。
一方、国際金融都市として世界第4位の東京を除き、大阪市、福岡市が香港に代わる国際金融都市としての立場を得るための最大のポイントは、課税戦略として、実効税率、すなわち法人税、住民税、事業税、事業所税をいかに軽減し、経済的に魅力のある都市であるかということに懸かっている。
東京の実効税率は約23%、香港は16%、シンガポールは17%であり、日本全国の平均は約30%強(福岡市も同様)である。そのため、福岡市が香港、シンガポール並みに実効税率を軽減すれば、極めて大きなインパクトとなり、世界的な金融業者、投資家は我が郷土の福岡市に次々と集まることは必至である。
しかし、「いうは易く行うは難し」というように、実現することがもっとも難しい。実効税率の軽減の財源をどのように確保するかについて、抽象的な議論を数多く重ねても、その戦略と戦術は出てこないだろうが、IRが魅力的な構想であることに間違いはない。
福岡市の一般会計の約2兆円(2020年度)のうち、市債発行額(借金)は約495億円。一方で、IR誘致開発を実現した場合のカジノ税、事業税、事業所税、住民税、消費税などの各種税収は少なく見積もっても年間約600億円以上と推定される。IR誘致開発が実現できれば前述の市債を発行する必要がなくなり、借金せずに済む。
新規プロジェクトで今後半世紀以上も続くと見込まれるものはIRのほかに簡単には見つからないだろう。税収のなかから支払われるギャンブル依存症対策などの費用は微々たるものだ。
福岡IR実現は5年~7年後を予定しており、その頃にはコロナ問題も収まっていると予想される。IRが福岡市の財政と経済再生、雇用などのすべての課題を解決するのだ。
以上が、福岡IR開発誘致が国際金融都市構想の実現に向けてもっとも早道である理由だ。 これらは筆者が確信している戦略、戦術であり、前に進めるためには多くの学者が集まるだけでなく、柔軟性をもって、より広範な知識を活用することが必要だ。「3人寄れば文殊の知恵」ということわざがある。幸いにして、IR福岡の誘致開発の促進を実行している優秀な若者らの組織があり、福岡市には彼らを仲間に入れることを提案したい。関係者の度量の広さを期待している。
【青木 義彦】
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