中国経済新聞に学ぶ~コロナ期間中、中国へ行った(後)
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お弁当は無料提供されたが
接待処の職員は2人の若者で、まず「隔離健康観察承諾書」に記入し、個人情報のチェックを受け、上海以外のその他地域への渡航の有無を告げ、連絡先を書き留めた。
次にホテルヘの大型専用バスを待った。虹囗区政府の対応は大変温かく、日系レストランがつくったような弁当を2つ無料で提供してくれた。パンと飲み物も無料でいただいた。
食べられる物だったが、しばらくすると消毒係がきて消毒剤を噴射され、消毒液味の付着したパンを食べたら、吐き気がするばかりか、自分が本当に「毒保持分子」のように感じさせられた。
1時間強、待たされ、やっとバスに乗れるとの通知を受けた。虹口区の若者の引率の下、階下に降り、「緊急防疫車」に乗車したが、運転手は完全武装だった。
バスが虹口区のホテルヘ到着した時間は、夜10時過ぎだった。飛行機を降りてから5時間以上が経っていた。ホテルは多分三ツ星にも至らないらしく、我々は正面玄関からは入れず、裏口のみからの入館だった。下車時、虹口区の職員が交代し、再度、身分チェックを受けた。その後、ひどく汚らしい廊下を通ったが、後ろから1人の消毒員が我々の背後に消毒の霧を吹き掛ける、シュシュというその音が絶えず、筆者に向けて『ウイルスに注意』と言っているように思えた。
エスカレーターの入り口に着き、1つの机があり、そこに座っていた1人の係員から、隔離期間中の注意事項を告げられ、「注意事項表」と黒いゴミ袋を受け取った。さらに即席麺を渡され、「申し訳ないが、夕食はなし、即席麺だけだ」と言われた。
エレベーターに乗り、部屋に入ってから、係員から一言「弁当受領時以外、部屋を出てはいけない」と言われた。14ケ日間の「集中隔離」生活がこうして始まった。
上海で14日間のホテル隔離生活~上海の住居があれば、「7+7」方式に
「集中隔離」制度は、中国各地で施行されている。地域によって少しずつ違うようだが、上海浦東国際空港からの入国者で、上海に定住の住居がない者、あるいは上海住居にその他の共同生活者がいる者は、各区政府の指定するホテルに14日間の集中隔離をさせられる。
もし上海に固定の住居があり、家にその他の共同生活者がいない場合、「7+7」方式が適用される、すなわちホテルでの7日間の隔離、帰宅での7日間隔離である。子ども連れあるいは老人(70歳以上)の場合は、ホテルでの隔離1日(空港でのPCR検査結果待ち)の他の期間は帰宅隔離が許される。
帰宅隔離者は専用車で専門係により送られ、その後、居住委員会の職員に引き渡され、家の入口上には監視警報器(派出所に接続)が取り付けられ、張り紙が貼られる(住民に注意勧告)。
自宅での隔離期間中は、外出はできない、欲しい物は宅配購入するしかなく、居住委員会の担当者が家の購入したものを入口まで届けるなどして手助けしてくれる。ゴミは専門の人が引取りにきてくれ、PCR検査も専門担当者が家にきてくれ、至れり尽くせりである。
隔離された人は毎日、微信(Wechat)で体温報告をしなければならない。上海市以外からの人は上海にきてから、「3+11」方式が適用される、すなわち上海で3日間隔離され、それから自分の居住地の省市指定のホテルに11日に隔離される。
以上が、中国政府が海外からの入国者に採用している「集中隔離」制度で、目的は「国外病例」の輸入防止のためである。
(了)
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