苦しいドロー、しかし2位は堅持 東京V 1-1福岡
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サッカーJ2リーグのアビスパ福岡は25日、アウェーの味の素フィールド西が丘で東京ヴェルディと第36節の試合を行った。
この日、福岡ではプロ野球日本シリーズの福岡ソフトバンクホークス対東京読売巨人軍の試合が行われており、アビスパとヴェルディの一戦はいわば「裏・日本シリーズ」。こちらも濃密で見ごたえのある一戦となった。
東京ヴェルディは読売クラブ時代から引き継ぐ伝統のパスサッカー。確かな足元のテクニックと細かいパス回しで美しい連携を見せ、前半からアビスパ陣内に切り込む。対するアビスパは、MF前寛之を中心としたプレスで東京Vの攻撃の起点を潰し、切れ味鋭いカウンターでゴールに迫る。
対照的なプレイスタイルを見せる両チームの対戦は、一瞬も目を離せない緊迫感あふれるものとなった。前半、東京VはMF井出遥也が攻撃のキーマンになる。ボールを支配した東京Vは井出からのパスワークでアビスパゴールに迫るが、DF上島拓巳、DFドウグラスグローリが立ちはだかり、得点は許さない。前半9分、アビスパは自陣でボールを奪いカウンター。右サイドからMF福満隆貴が抜け出してクロスを送り、ボールを受けたMF石津大介がシュートを放つがこれはノーゴール。
東京Vが細かいパスで隙を狙い、アビスパは堅固な守備ブロックでこれをしのぐという戦況で前半を終えた。後半、前線でボールを受ける機会が増えた福岡FW山岸祐也が何度も起点になるが、あと一本がつながらずゴールは奪えない。一方の東京Vは、流れるようなパスで福岡のディフェンスにギャップをつくり、とくに右サイドのMF小池純輝がチャンスに絡むケースが増えてきた。
65分、それまで東京Vの攻撃を組み立てていたMF井出に代わってMF佐藤優平がピッチに入る。その直後、MF佐藤が右サイド裏に出したボールをMF小池が受け、すぐさまゴール前にグラウンダークロスを入れると、DFエミルサロモンソンの後ろから侵入してきたFW山下諒也がピンポイントで合わせ、ゴール。先制点は東京Vに入った。
しかし、落胆したのは一瞬であった。その直後の66分、FW山岸祐也が東京Vのゴール近くでボールをキープし、体勢を崩しながらも中央に折り返すと、ボールは詰めてきていた東京VのMF森田晃樹にあたり、ゴールに飛び込んだ。オウンゴールとはいえ、値千金の同点ゴールだ。
昇格のためにどうしても勝ち点3が欲しいアビスパは攻勢を強める。FW遠野大弥のシュートはポストを叩き、途中出場のFWフアンマデルガドとMF増山朝陽がパワーとスピードを生かしてゴールに迫るが、得点は生まれない。試合は1-1の引き分けに終わった。
この日、首位徳島は町田を3-0で下し、3位長崎は松本山雅と引き分けで、順位の変動はなし。勝ち点は徳島74、福岡70、長崎67となり、徳島が一歩抜け出すかたちとなった。
次節は29日、ホームベスト電器スタジアムの大宮戦。寒さが気になる季節だが、それだけ温かいスタジアムグルメのおいしさが身に染みる。ぜひ、ホームスタジアムで躍動するアビスパを応援しよう!
【深水 央】
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