2024年11月23日( 土 )

【IR福岡誘致特別連載21】市営地下鉄・西鉄・JRの直通相互乗り入れで年間99億円増収

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福岡市営地下鉄 マスコミ各社は27日、かつてからの福岡都市圏計画の懸案事項である、福岡市営地下鉄箱崎線と西鉄貝塚線、貝塚駅における両者の相互乗り入れによる直通化(軌道幅はともに1,067mm)を実行すれば、同駅の改修工事などの費用155億円も含めて、毎年2.6億円の赤字になるとして、この実行は困難だと報じた。

 筆者は、すでに本サイトの【IR福岡誘致特別連載17】(1月5日付)で、この福岡市営地下鉄、西鉄、JR九州各社の相互乗り入れによるそれぞれのメリット、その根拠と概要についてIR関係者への取材を基に説明している。

 筆者はIR福岡誘致開発の実現を積極的に目指す民間組織である福岡JCとチームを組み、その準備組織関係者へ取材を行い、マスコミとは異なる見解を有する。その具体的な内容は、IR福岡誘致開発を実現するための候補地である国有地、海の中道駅(JR九州・香椎線)までを目的地として、博多駅、天神福岡駅、貝塚駅、千早駅、和白駅、さらには在来線、新幹線、天神大牟田線などのJR九州、西鉄、福岡市営地下鉄との可能な限りの相互乗り入れのすべて(各社軌道幅は同一の1,067mmの狭軌)を網羅して調査し作成された報告書に基づく。

 作成者は、米国の世界的に著名なIR調査機関のPro Forma。コロナ禍の前に、現地での事前可能性調査(Feasibility Study) が発注され、作成は完了している。当然、東京ディズニーランドや大阪ユニバーサルスタジオなど各施設の鉄道利用率との詳細な比較調査も行われている。

 ちなみに、その具体的な数値(コロナ禍前で)を見ると、IR福岡誘致開発を実現した場合の年間来場者数は1,280万人、1日当たりの来場者見込み数は3万5,000人、上記に関連する1日当たりの各駅利用者見込み数は2万2,500人を基本としたものになっている。

 従って、JR九州は年間62億円の増収(鉄道事業3.5%増収)、西日本鉄道は同18億円の増収(鉄道事業7.3%増収)、福岡市営地下鉄は同19億円の増収(地下鉄事業5.3%増収)となり、合計99億円の巨額な増収になる。コロナ禍で各社の疲弊した鉄道事業を蘇生させる魅力的なプロジェクトなのである。

 IR福岡誘致開発の実現について、当初の全体投資額予算が約3,500億円、年間の流動する資金移動が約3,300億円と巨額になることは既報の通りである。

 昨年は福岡JCも、当該地のIR誘致開発促進団体「僕の街にはアメリカがあったの会」も、福岡市行政、福岡市議会ならびに九州経済連合会ほか各関係者に、その関係資料を提出済みなのだから、上記の各鉄道責任者は2.6億円の赤字だとしても、この計画を簡単にあきらめるのではなく、IR福岡誘致を促進する彼ら若者たちに素直に直接アドバイスを受けるべきである。聞きに行くことに何のリスクもない。

 当時、この充実した既設の鉄道インフラの整備計画(各社同一の軌道規格1,067mm)を実行した先人たちの先見性とその卓越した情熱と心意気を、すべての鉄道関係者はコロナ禍の今こそ見習うべきである。

 組織人はIRの何を恐れるのか?前にも説明しているように、世界的なインターネットギャンブル市場が席巻している環境下で、ギャンブル依存症などを理由とした反対は時代錯誤であり、このコロナ禍収束後の我が街、九州全体の経済再生と雇用創出は急務である。

 たくさんの若者たちが、コロナ禍のなかでの格差社会で苦しんでいる。政府の後手後手の対応を反省し、今から早め早めの手を打つべきである。これだけの既設のインフラとチャンスはほかのIR候補地にはない。重ねて説明するが、民間先行のIR福岡が一番早く具現化できる。

【青木 義彦】

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