経営教訓(3)コロナ禍でそっぽ?銀行は誰の味方か
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今回の「経営教訓」は非常に生々しい情報である。いずれ我が身に起こらないように教訓としていただきたい。
(1)福銀、西日本シティ両行は、なぜロイヤルを救えないのか?
ロイヤルは福岡生まれの成功企業の元祖である。そのロイヤルを福銀、西日本シティ銀行ともに助けることができなかった。商社・双日による子会社化で、東京の企業に変貌することになる。
支援バンクはみずほ銀行。たしかに、コロナ禍のなかで旅客機を利用したビジネスが激減、外食産業もガタガタとなり、ホテル建設も致命的な打撃を受ける。経営陣の判断ミスによる経営危機であるが、もともと地元では尊敬される企業である。地元メインバンク2行に対し、「いったい何をしていたのか」と抗議したい。
昨年末、定例情報交換会の忘年会があった。常連の中堅バンカーは「ロイヤルさんのキャッシュが毎月100億円減っている。福銀と西日本シティさんが融資して助けないといけない」と語っていたが、結局は対応が遅れてしまった。本当に動きが鈍い。ある上場企業の経営者が怒る。「日ごろは地元企業のために尽くしますと2行は強弁するが、言うこととやることがあまりにも食い違う。当社もこうなれば東京に本社を移す」と公言している。
(2)銀行の解決能力も微力
某老舗名門企業が銀行傘下にある。経営者は亡くなり、身内で再建に躍起になっているが打開のメドはつかず。メインバンクは本音のところ、「身内経営陣」の能力を見切っている。ただし、メインバンクは「老舗企業を管理しているバンクは最後まで徹底的に支援してくれる」という信用を壊したくないため、慎重な姿勢を固持していた。本音では「今期、3月まで支援したかたちにして売り払う(M&A)」ことが基本戦略であった。
ところが思惑が大きく外れた。コロナ禍の影響で業界全体がこれほどまでに落ち込むとは予想できなかった。業界トップの企業でさえも、M&Aを行う余力を喪失しているのだ。メインバンクは全国を駆けずり回って探したが、買い手を見つけられなかった。従来通り支援を継続するか、または破産させるのか、思案中である。銀行の解決能力も微々たるものであることを知るべきだろう。
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