2024年11月21日( 木 )

6月から食品リコール情報を一元化、事業者に届出を義務づけ

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 消費者庁と厚生労働省は6月1日、食品リコール情報を一元的に公開するシステムの運用を開始する。アレルゲン表示の欠落や大腸菌汚染など、健康被害の原因となり得る食品を自主回収する場合、事業者にリコール情報の届出を義務づける。

 現在、食品リコール情報は国・地方自治体・事象者の各ホームページで公表。窓口が各行政機関などに散らばり、消費者にとっては購入商品がリコールの対象かどうかの確認が煩わしく、健康被害を未然に防止するうえで問題視されていた。

 このため、食品リコール情報を一元的に公開できるシステムを開発。消費者庁と厚労省のホームページ上に、情報提供の窓口を設置する予定だ。

 届出の対象となるリコール情報は、食品の安全性に関するもの。食品表示法関連では「アレルゲン」「消費期限」「保存方法」の表示や、「L-フェニルアラニン化合物を含む旨」の表示など。食品衛生法関連では、大腸菌やボツリヌス毒素による汚染、発がん性物質の含有、有毒魚や有毒植物など。

 これらが原因で自主回収する場合、事業者に都道府県への届出を義務づける。都道府県は国へ報告、国が国民へ公表するという流れだ。

 届け出る情報は、「事業者名」「商品名」「自主回収の理由」「販売日」「健康への影響」など。また、健康におよぼすリスクの大きさによって、クラス分けして公開する。食品表示法関連のリコール情報はクラス1・2の2分類。食品衛生法関連はクラス1~3の3分類となる。

 ただし、特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、栄養機能食品の表示違反については、事業者から消費者庁へ直接届出を行う。

 届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした事業者には罰則を適用する。消費者庁では「食品表示法違反の場合には50万円以下の罰金を科す」(食品表示企画課)と説明している。

【木村 祐作】

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