2024年11月21日( 木 )

コロナ禍において月間最高売上達成 さらなる高みを目指して

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(株)ジェムキャッスルゆきざき

全国で15店舗を展開し年々業容を拡大

福岡ゆきざき本店

 (株)ジェムキャッスルゆきざきは1978年2月、前社長である柚木崎政秋氏(現会長)が福岡県那珂川町(現・那珂川市)で創業、86年10月に設立された。創業地である福岡のほか、2008年に「銀座ゆきざき」、12年に「大阪ゆきざき」、16年には東京・六本木に「東京ゆきざき本店」、今年10月には「大阪駅前ゆきざき」をオープンさせるなど、年々業容を拡大しており、現在、15店舗(関東エリア5店舗、関西・東海エリア6店舗、九州エリア4店舗)を構えている。

 19年12月には「福岡ゆきざき本店」を拡大移転オープン。1階ではロレックスやオメガなどの高級腕時計、2階はダイヤモンドなどのジュエリーや腕時計、3階ではブライダルジュエリーを展示・販売している。同店は福岡市の中心部・天神にある百貨店「岩田屋」の向かいに立地し、外観には大理石がふんだんに用いられ、夜は照明でライトアップされており、今や「福岡・天神のランドマーク」としての地位を確立したと言っても差し支えないだろう。

 現社長・柚木崎政和氏は01年4月に入社し、16年4月に社長に就任。同氏が社長に就任して以降業績は右肩上がりで、17年3月期に売上高100億円を突破。19年3月期は117億円の売上高を計上し、「コロナ禍」真っただ中の今年6月には月間最高売上を達成するなどまさに「順風満帆」ぶりを内外にアピールした。

お客さまに大きな花を咲かせたい

福岡ゆきざき3階 ブライダルコーナー

 「顧客は担当者につくのか、それともお店につくのか」というこちらの問いに柚木崎社長は、「お客さまの多くは担当者である当社従業員をとても可愛がってくれます。ただ、担当者が替わっても、これまで通りお店にきていただく方が多いですね。おそらく『ゆきざきに所属する担当者』という目で可愛がってくれているのではないでしょうか」と語る。

 売上高を見てもわかるように、ゆきざきのファンは毎年、確実に増加している。常連客が知人・友人にゆきざきを紹介してゆきざきを訪れ、商品を購入した人がまたほかの人に紹介することにより、年々「ファン」が増えているのだろう。

 「ソフトとハードは両輪の関係です。長い年月をかけて培ってきたお客さまとの信頼関係を、これからも大事にしていきたいと思っています。仮に東京などから強力なライバルが進出してきたとしても、我々にはお客さまとの強固な信頼関係があるのが強みです」(柚木崎社長)。

 ゆきざきの社訓の1つに「お客さまに大きな花を咲かせろ、それすなわち我々の花なり」というものがある。柚木崎社長は「本当に価値のあるものをお客さまに提供することが我々の使命です。宝石は太古の昔から現在に至るまで人々を魅了し続けてきました。宝石を通じてお客さまの人生に彩りを与えたいのです」と話す。宝石を通じて顧客の人生に花を添え、喜びを提供したい。そうした同社の基本姿勢が現在の隆盛につながっているのだろう。

YUKIZAKI SERVICE CENTER

 ゆきざきが顧客から指示される理由は、前述のように「お客さまのために」という姿勢だ。その象徴ともいえる存在が「福岡ゆきざき本店」4階にある「YUKIZAKI SERVICE CENTER」だ。ここにはゆきざきが販売した宝石や腕時計のアフターケアを行うスタッフが約30名在籍し、メンテナンス・修理などを行っている。こうした顧客のための地道な取り組みもゆきざきの好調さを支える要因となっている。

 また、的確な経営判断をくだしているのも特徴的だ。一例を挙げると、ある店舗を出店したものの、売上が伸び悩んでいたため、わずか3カ月で閉店を決断したという。一方、西日本最大級の歓楽街・中洲に05年にオープンした「中洲ゆきざき」はその逆のパターン。同店の特徴の1つに午後5時半開店~翌午前3時閉店という他店とは真逆と言ってもいい営業時間が挙げられるのだが、オープンして3年間ほどは来客数が伸び悩んでいたという。だが、柚木崎社長は「今はお客さまが少なくても、店の認知度が高まっていけば、中洲という立地を考えた場合、必ず需要がある」という確信があったという。その読みは見事にあたり、今では連日多くの来店客で賑わっている。

3つの分野で業界ナンバーワンを

 ゆきざきでは顧客のためだけではなく従業員の人生も豊かにするべく福利厚生の充実に注力しており、従業員の有給所得率は100%を達成した。さらに勤続年数に応じた海外旅行を従業員だけでなく家族全員、単身者には本人と友人や恋人などの分もプレゼントしている。

 配偶者、子どもがいる従業員に対しての扶養手当も出しているが、「日本の人口減を食い止めるために少しでも役に立てれば」との思いから、子ども3人目からは2人目までの倍の金額を支給している。また、定期的に従業員とその上司が面談し、今悩んでいること、今後のキャリアアップなどについて話し合う機会を設けているという。

 柚木崎社長は、「顧客満足度、取引先満足度、従業員の満足度、これら3つの分野で業界ナンバーワンを目指す」と語る。ゆきざきのこれまでの躍進ぶりを見ていると、数年後、いや数カ月後にこれらの目標を達成していたとしても何ら不思議ではない。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:柚木崎 政和
所在地:福岡市中央区天神2-6-14
設 立:1986年10月  
資本金:1,000万円
TEL:092-734-0222
URL:https://yukizaki.co.jp


<プロフィール>
柚木崎 政和
(ゆきざき まさかず)
1973年8月、福岡県出身。97年、関西大学を卒業後、(株)大和証券に入社。2000年4月、(株)ジェムキャッスルゆきざきに入社。01年に常務取締役を経て、16年、代表取締役社長に就任。

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