オンラインゲーム革命「GORAKU WORLD MARKET」~ゲームとウォレットの融合で世界に挑む中村龍道氏(後)
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カジノゲーミング事業をはじめとするリゾートビジネスを香港・マカオ・米国など世界各地で手がけてきた中村龍道氏。近く、オンラインゲームとデジタルウォレット(電子決済)を融合させた世界初の事業をリリースする。オンラインゲーム革命の幕開けとなりそうだ。
海外パートナーと開発したゲームは、あくまでもゲームである。では、デジタルウォレットとどのように連動するのか。
ゲームする側は、ゲーム上のポイントでプレイするため、デジタルウォレットのポイントコインからゲームのポイントに交換する。ゲームでプレイしたことでポイントが増えた場合、ゲームポイントからデジタルウォレットのポイントコインに交換できる。交換したポイントコインはそのままデジタルウォレットで維持するか、または所有者(ユーザー)の都合によって交換できる。
我が国の法律に抵触するのではないかという懸念に対し、「我々は日本文化が大好きな海外パートナーに、日本の娯楽という文化を伝授しただけです。本来の目的は世界のユーザーが対象であり、日本人を対象としていません。運営会社は海外パートナー企業。そしてデジタルウォレットの交換業の権限はジョージアのパートナー企業、ゲーミングの権限はセーシェル共和国のパートナー企業がそれぞれ保有し、ポイントを交換することは基本的に合法です。各国の法律を順守し、世界初の『ゲーミング金融』というジャンルを確立させただけです」と説明している。
特筆すべき点は、保有ポイントが100%保証されること。保有者は、いつでもポイントという資産を自由に運用することができる。
「我々の儲けは何かというと、ポイントでプレイしていただくことが収益となります。そして、デジタルウォレットでの交換による微々たる手数料です。ギャンブルではないのかという指摘については、(日本人の)感覚の問題だと思います。ギャンブルの定義は、金銭や品物を賭けて勝負を争う遊戯。金員または金品を賭けて、双方で一定のルールの下で競うことがギャンブルです。つまりFXや株式、日本の公営ギャンブルを含み、世の中の取引の多くがギャンブルの定義に当てはまるのです」(同)。
中村氏は、オンラインゲームと金融を融合したゲーミング金融を進化させていく考えを示す。その際、デジタル化やオンライン業界で日本は後進国のため、引き続き、世界のパートナー企業とともにビジネスモデルの構築を進める予定としている。
「今後は老若男女を問わず、オンライン(デジタル)の世界が日常となっていきます。オンラインゲームをより進化させて、eスポーツの分野にも進出します。独自のeスポーツのソフトウェアを開発・新設したプラットフォームに、独自ソフトウェアのゲームで競うチャンネルを続々とつくり、リリースします。それぞれに設定したレートを参加費として競います。勝利したプレイヤーから5%から10%の手数料をいただくことになります。このeスポーツのプラットフォームは365日24時間、世界中で稼働します。得意なゲームを極めることで、プロのeスポーツプレイヤーとして生計を立てていくことも可能です。eスポーツのプロのピークは10代から25歳まで。そこで、我々は年齢に適したシニアeスポーツのゲームも開発する予定です。生涯にわたってeスポーツで稼げる仕組みをつくっていくことが、我々の使命です」(同)。
大きな可能性を秘めるアイデアを中村氏が次々と出して、渡邉氏率いる気鋭の開発コンサルティング集団が3日から1週間でかたちにするという動きを見せている。
ベンチャー企業のポイント調達を念頭に
中村氏は「GORAKU WORLD MARKET」のゲームソフトを通じて、かたちを変えたゲームとしての事業投資を実現させる計画をもっている。
「たとえば、A社は世界を変えられる技術をもっているが、資金調達に苦戦しているとします。通常ならば新株を発行します。しかし、新株発行により買収されるリスクもあります。そこで、A社の技術をゲームと位置づけて、ポイントを調達するのです。つまり、我々のゲームソフトの1つであるディーリングゲームでA社の技術をゲームとして登録し、世界中のゲーマーたちが、興味をもつと必要なポイントを投げてくれるという仕組みです。会社の経営権はそのままで、技術や事業をディーリングゲームとして実施するわけです」(同)。
世界初となるポイント調達サービスについて中村氏は、「ディーリングはゲーマーの同意により、365日24時間いつでも可能。技術や事業がゲームの対象となり、それらの技術や事業によって得られた収益は、ポイントとして投じたゲーマーたちにプレゼントされ、ゲームのポイントとして利用できます。デジタルウォレットに移動して交換することもできます。事業者側は、ポイントを調達できて経営を推進できます。さらに、技術・事業価値の変動だけのゲームを実施することで、お互いに新たなポイントを得られるようにします。とくに、ベンチャー企業によるポイント調達を視野に入れています」と話している。
ゲーム上で株式市場のような市場が成立するという、画期的で独創性の高いゲーミング事業を見込む。中村氏は「ゲームの開発は世界各国で凌ぎを削っています。無名の開発者が1日にしてトップに立てる世界です。我々も常にユーザーに対して有益なゲームソフトを開発し続けていくことが求められています。ゲーミング金融で世界の市場開拓に挑みます。世界中の無名のゲーム開発者が我々の事業に賛同し、腕を奮ってもらいたいですね。海外パートナーたちと一緒に、世界中に優秀な開発者を輩出していくことも我々の使命です」と意気込みを見せている。
世界初のビジネスモデル「GORAKU WORLD MARKET」に、世界中の関係者の視線が注がれそうだ。
(了)
【河原 清明】
<プロフィール>
中村 龍道(なかむら・りゅうどう)
1969年6月生まれ、鹿児島県出身。大手土木、建築資材販売・レンタル会社で経験を積んだ後、95年に起業。地元・鹿児島を拠点に飲む温泉水、温泉水を使用した基礎化粧品の販売を展開し、成功を収める。2004年に中国に渡り、当時としては珍しい日本人向けナイトクラブを4店舗運営。現地で評判になると同時に、その経営手腕が高く評価され、06年に趙紫陽元中国共産党総書記の実子である趙衛國氏らの協力を得て、マカオ特別行政区で事業を開始する。以降、マカオを中心に北京や大連などで精力的に事業を展開。地元・鹿児島産の製品やサービスの中国市場での定番化にも尽力した。10年代に入ると米国ラスベガス市場に参入。ZANN CORPORATIONを買収し、カジノ総合事業を中心としたリゾートプロジェクトや、インドネシア、香港、マカオ、中国、台湾などの企業と共同で多岐にわたる事業をスタート。香港とシンガポールでZANN CASINOクルーズをグランドオープンさせると、業種の垣根を越え、アパレル、不動産開発などで数々の実績を残す。現在もアジアを中心に、地域振興による世界平和と繁栄を目的に、清濁併せのむ覚悟をもって活動している。ZANN CORPORATION Chairman、中華人民共和国陝西省韓城市人民政府顧問。
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