2024年09月17日( 火 )

中国経済新聞に学ぶ~成都・杭州はなぜ人気の就職先になったのか

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成都 イメージ 今年、全国の大学卒業生は約909万人、仕事を探している留学帰国者は80万人に上る見込みで、彼らの動きには都市の魅力や活力がある程度反映される。複数の就職支援プラットフォームの2021年大学卒業生就職報告を見ると、成都、杭州、西安、重慶などの新一線都市が急速に台頭し、広州と深センを超える勢いさえ見せる。では、大卒者は成都と杭州のどこを重視しているのか。

 生活サービスサイトの58同城が発表した「2021年大学卒業生就職報告」によると、今年の大卒者が選ぶ働きたい都市のベスト10には、上海、深セン、広州、成都、北京、杭州、青島、南京、重慶、長沙が並んだ。就職支援サイトの梧桐果が発表した21年大卒者希望都市データの分析結果によると、働きたい都市の上位10位のうち、新一線都市が6割を占め、一線都市の北京と上海が引き続き上位に入ったほか、3位から8位には南京、成都、天津、青島、西安、重慶の新一線都市が並び、一線都市の広州と深センに追いつき追い越そうとしている。

 別のより直感的な大卒者の居住の指標にも、同じような傾向が見られる。不動産関連シンクタンクの貝殻研究院が発表した「2021年卒業シーズン居住インサイト報告」によると、北京、広州、上海などの一線都市は引き続き大卒者が働く場所として真っ先に選ぶ都市だが、深センは20年の4位から6位に転落した。最も上昇した都市は成都で、20年の9位から4位に順位を上げ、深センを上回り、北京、広州、上海につぐ人気都市となり、武漢に代わって大卒者が働く場所として真っ先に選ぶ新一線都市になった。同じく新一線都市の杭州が後に続いた。

 大卒者を引きつける力という点で、成都と杭州がこうも突出しているのはなぜか。あるいは、成都と杭州を代表とする新一線都市は、大卒者の職業選択におけるどのような需要にマッチしているのか。

 華東師範大学を卒業した陝西省出身の劉暁さんは、「成都は家賃、交通費、食費などの生活コストが相対的に低いというのが1つ目の理由。もう1つの理由は、成都は都市の寛容度が高く、機会も多いことだ。成都に来ることにしたのは、仕事のチャンスがよりたくさんあったから」と話した。海外留学から帰国したばかりの王洋さんは現在、成都のコンサルタント機関で働いており、「実家のところではこういう仕事がなかったから」と話した。

 西南財経大学中国西部経済研究センター人口研究所の張俊良研究員は、「成都の魅力はやはり都市としての総合的競争力がどんどん高まっていること、より力強い現実的な競争力を備えていること。たとえば産業構造の競争力を備えているからだ。ここ数年、成都の産業構造は絶えず最適化・レベルアップしており、産業生態系によって都市の優位性を構築することは、労働力を引きつける魅力を絶えず増大させる。同時に大卒者の『足による投票』では、質の高い公共サービスも重要な競争力になる。成都の公共インフラは最適化を続け、教育や医療などの優れた公共サービスがもつ人口を誘致する力が絶えず増強されており、実施中の『幸福ですばらしい生活10大プロジェクト』も競争上の優位性をさらに発揮させるだろう」と分析した。


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