2024年12月22日( 日 )

コロナ感染第5波の影響で全国27の大学病院がICUの患者受け入れ制限

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 全国82大学の国立私立大学の医学部長(医科大学長)、大学病院長でつくる(一社)全国医学部長病院長会議(会長・湯澤由紀夫藤田医科大学病院長)は8月10日、新型コロナの急速な感染拡大で、27の大学病院(本院)が集中治療室(ICU)の患者受け入れを制限したという調査結果を発表、「通常であれば救える命が“救えない”事態が始まっていると推測される」と警鐘を鳴らした。

 同会議は電子メールを使い、新型コロナ感染症の第5波が大学病院の通常診療に与える影響を8月6日時点で全82大学病院に関して緊急調査。78病院から回答を得た。それによると、患者の受け入れ制限は集中治療室が27病院、救急が15病院、手術が19病院、入院が20病院、外来が11病院に上っていた。

27病院がICU制限
27病院がICU制限

 この数字を基に、同会議は「今後、その可能性も含めると、ほぼ半数の大学病院で明らかに通常診療に影響が出ている」と指摘した。

 さらに28病院では、病院職員が感染したり、感染した家族の濃厚接触者になったりして2週間の自宅待機を余儀なくされるなど、診療維持に影響を与える影響が出始めている。同会議は「今後、全国の8割以上の大学病院で医療従事者の一時的な減少による影響が予想され、医療逼迫、崩壊の一因になりかねない」としている。

職員の感染
職員の感染

 緊急調査は緊急事態宣言地区病院(埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、沖縄:回答病院数25病院)、まん延防止対策地区病院(北海道、福島、茨城、栃木、群馬、石川、静岡、愛知、滋賀、京都、兵庫、福岡、熊本:回答病院数25病院)、その他地域(回答病院数28病院)に分けても公開されている。
URL:https://ajmc.jp/news/2021/08/10/2831/

【南里 秀之】

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