怪物ソフトバンク・孫正義氏、またまた吃驚仰天声明(前)
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3.35兆円のお買物
7月15日から17日、孫さんはロンドンに滞在していた。突如、びっくり仰天の声明を行った。「アーム・ホールディングス(A社)を240億ポンドで買収します」という声明をTVで見た。こちらはA社がどの規模の会社かという関心よりも日本円3.35兆円という桁違いのM&Aの金額に目を奪われた。「日本で最大の金額のM&A」という謳い文句に惹かれた。「よくまー孫さんはやるよ!!」と感心するしかない。日本にはこんな桁違いの経営者の存在はいないと断言できる。
今年になっての孫氏の発信力は凄まじい。16年3月30日、中国最大の送電会社の国家電網公司、ロシアの送電会社ロシア・グリッド、韓国電力公社と国境を越えて送電網を結ぶ事業化調査をすることで合意した。要はモンゴルの風で発電して日本へ海底テーブルで送電する大ブロジェクト構想を打ち上げたのである。20年に一部完成を目指すというもので、大風呂敷の段階は終わったのである。孫氏取り巻きの記者たちは北京へ同行取材を許された。「ここまで国際的な約束をしたのだから実現するしかない。孫氏は本気だ」と記者たちは兜を抜いた。
ところが6月株主総会前に150億円とも160億円ともいわれるスカウト料を払って確保したアローラ氏の首を切った。退任を迫ることを決断した理由は既報済みであるからここでは省略する。上記したモンゴルからの送電構想にアローラ氏が反対してことは間違いない。このA社買収の発表を耳にした際には「この案件の段取りしたのはアローラ氏であろう。M&Aのコミッション料と考えれば160億円は安いものだ。さすが孫氏のやることには抜け目がない」と驚嘆した。だが確認に奔走にしてみるとアローラ案件とは違っていた。
100人の記者たちを雇用している傑物・孫氏
A社はマイクロプロセッサーやグラフィックス・チップの設計に関する半導体知的所有権(SIP)の会社だそうだ。世界シエアの大部分を抑えている企業と高い評価を得ている。同社の回路設計の基本デザインはアームコアと呼ばれ、スマートフォン、デジタルTV、自動車などに組み込まれている。世界使用基準を確保していることに孫氏が食指を動かしたのか!!さー問題なのは3.35兆円の資金調達である。
ところが当事者・孫氏は会見で表明している。「3兆円という金額はたいした金ではないと喋ると不謹慎と批判されるでしょうが――」と笑って応対しているのだ。この人にとって1兆円、2兆円、3兆円は豆腐1丁、2丁、3丁に過ぎないのである。事実、アリババを売却した資金など手持ち現金7割、借入3割でまず3.35兆円の資金調達を完了させる。加えること発表しているスーパーセル、ガンホーの株売却の資金が8月以降、キャッシュインしてくる。そうなると残りの3割の借入も返済できるそうな。まさしく孫氏にしてみれば1兆円、2兆円、3兆円は豆腐1丁、2丁、3丁上がりに過ぎないのである。60歳を眼前にして孫氏の打つ手は大胆で且、資金調達は緻密になってきた。
情けないのは100人ともいわれる孫番記者たちである。孫氏の情報発信に翻弄されて勝手な解釈記事ばかりを流す。肝心のアリババ、ガンホーの株売却の狙いを誰一人として当てた者がいないのである。もっともな解釈しかできずに情報記者としての試金石が問われるときには全く様がない。核心情報を掴んでいない無能ぶりを露呈したからである。「私は孫偉大な正義社長の犬番で飯を頂いています」と自己批判の必要がありそうだ。
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