マングローブの植林・再生で 地球環境の保全に大きく貢献
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ワイエルフォレスト(株) 代表取締役社長 阿久根 直人 氏
造林と水産を同時に行う
マングローブ林の保有面積で世界一を誇るインドネシアで、その植林事業や再生事業を展開するワイエルフォレスト(株)。インドネシア政府認可のもと、現地子会社を通じて、主に「新規植林事業」「森林保全事業(REDD+事業)」「森林再生事業」の3つの事業を手がけている同社が、現在とくに力を入れているのが、シルボフィッシャリーを活用した森林再生事業だ。
「シルボフィッシャリー」とは、英語で「造林」を表す「シルヴィカルチャー」と「水産業」の意の「フィッシャリー」とを組み合わせた言葉で、マングローブの森づくりと水産養殖再生の両方の便益を創出する方法のこと。放棄されたエビ養殖池を、周囲を土手で囲んだ水路部分と中央の盛土部分に分けるかたちで再整備し、中央の盛土部分にはマングローブを植林。水路ではエビや魚を養殖するが、エサや薬品の投与は必要とせず、マングローブ生態系の効果で自然に近い状態での養殖が可能となるため、食の安全確保にもつながる。低コストかつ低環境負荷の自然共生型の養殖方式であり、適切な森林管理を継続することで持続可能な生産体制を構築するとともに、運営する地域住民の生活の向上・安定にも寄与。また、SDGsの17の目標のうち、10の目標に寄与する優れものだ。
同社ではこのシルボフィッシャリーについて、インドネシア海洋水産省所轄のシドアルジョ海洋水産高等専門学校との共同研究を2009年から実施。現在は、同省と「シルボフィッシャリーを活用したスキーム構築」の共同実施に関する覚書の締結も控えている。
企業のCSR活動「見える化」にも
同社では今後、このシルボフィッシャリー事業について、「企業の森づくり」として各企業と連携を図っていく方針だ。「マングローブの植林や再生により、二酸化炭素などの温室効果ガスの吸収など、地球環境の保全に役立ちますが、これはSDGsへの貢献だけでなく、企業にとってはESGやCSR活動の『見える化』にもつながります。今後、インドネシア海洋水産省とともにシルボフィッシャリー事業を進めていきますので、ぜひ日本の企業の皆さんも我々と一緒に活動していただければ、大変心強いです」(代表取締役社長・阿久根直人氏)。
地球環境に対する関心が世界的に高まっているいま、SDGsやESGなどへの取り組みは企業経営にとって欠かすことのできない要素となっている。そのなかで、同社は時代を牽引する企業として、その存在感をますます高めていくことは間違いない。
<COMPANY INFORMATION>
代表取締役会長:山本 亮
代表取締役社長:阿久根 直人
所在地:福岡市博多区築港本町6-1
設 立:2004年7月
資本金:7,000万円
TEL:092-263-8221
URL:http://www.ylforest.co.jp
<プロフィール>
阿久根 直人(あくね なおと)
1966年9月、大阪府岸和田市出身。山本木材産業(株)(現・(株)ワイエルフォレスト)に入社後、営業などの経験を経て、2005年に取締役開発部長に就任。15年4月に同社代表取締役社長に就任した。関連キーワード
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