2024年11月29日( 金 )

福岡有数の総合的な鮮魚グループ よい魚を提供し、食文化発展に貢献

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(株)アキラホールディングス
代表取締役CEO 安部 泰宏 氏

グループ6社で幅広く事業を展開

(株)アキラホールディングス 代表取締役CEO 安部 泰宏 氏
(株)アキラホールディングス
代表取締役CEO 安部 泰宏 氏

    福岡市中央卸売市場の鮮魚市場で取扱量トップの総合仲卸(株)アキラ水産など、グループ6社を統括する(株)アキラホールディングス。創業100を超える老舗であり、現在の柳橋連合市場で「明百貨店」を開業したのが始まりである。現代表の安部泰宏氏は、1960年代に「スーパーマーケットの時代がやってくる」といち早く見抜き、即座に量販店向けの品ぞろえに変更し、時代のニーズに合わせて業容も業績も拡大させてきた。

 20年6月、改正卸売市場法が施行され、仲卸業者以外の第三者への販売を可能とするなどの取引ルールの緩和が行われた。これにより新たな形態のビジネスチャンスが生まれ、多くの企業が新規に市場に参入してくることが予想された。ホールディングス制への移行を行ったのは、それに先立つ同年1月。現在、アキラ水産を主軸に、マグロ仲卸の(株)コウトク水産、高級食材仲卸の(株)安部水産、冷凍、塩干物中心の(株)一心、水産物直販(株)四季海鱻、および加工・通販の(株)アキラ・トータルプランニングの6社で構成され、仲卸業を中心に事業の裾野を広げている。

魚離れを食い止めるため尽力

 漁獲高の減少、若者の「魚離れ」など、水産業を取り巻く環境が激変するなか、アキラ・トータルプランニングを中心に加工・通販事業を強化し、資源の効率的な利用と需要の掘り起こしに取り組んでいる。安部会長は「魚が売れないのは調理の手間がかかるからだ。その面倒なところを我々がすべてやれば、きっと喜んで食べてもらえる」という考えから、魚をさばいて卸す1次加工、2次加工からパッキングの3次加工まで手がけ始めた。小売はそれらを店頭に並べるだけでよい。スーパーのほか寿司店にも提供している。16年に古賀工場を新設したほか、福岡市・長浜の市場内の自社加工場のリニューアルも行い、生産・加工能力を増強する体制を整えた。今後も加工を伸ばしていく考えだ。

 「どうすれば魚を食べてもらえるか」「どのような状況で魚を食べるのか」という観点から、最大限顧客の目線に立ったオリジナル商品の開発に取り組む。新型コロナウイルス感染症の拡大により外食の機会や都市間の移動が制限されるなか、おいしいと評判の福岡の魚を全国の家庭で楽しんでもらおうと、刺身セット商品「博多幸盛り」(冷凍)を開発。21年6月に自社サイトで販売を開始し、順調に売れ行きを伸ばしている。

 技術の発達にともない、冷凍水産物の品質が向上するなか、同社は卸売市場に近い地理的優位性をいかし、より高い鮮度を保持した状態でさばくことにこだわる。また、「仲卸として水産物を購入する責任がある」として、資源を大事にすることも重視する。鮮魚は誰かが購入しなければ食べられることなく、命を無駄にすることになってしまうからだ。こうして同社は、水産業への強い責任感をもちながら、業界の新たな可能性を日々模索し、発展を目指している。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:安部 泰宏
所在地:福岡市中央区長浜3-11-3-701
設 立:2020年1月
資本金:4,850万円
TEL:092-711-6601
URL:https://www.akirasuisan.co.jp


<プロフィール>
安部 泰宏
(あべ やすひろ)
1939年3月29日福岡市生まれ。福岡大学附属大濠高校卒。趣味はゴルフ。全国水産物卸組合連合会副会長。九州地区水産物卸組合連合会会長。福岡市鮮魚仲卸協同組合理事長を歴任後、現在、同組合会長を務める。福岡魚食普及推進協議会会長。福岡城西ロータリークラブ会長。2005年藍綬褒章、11年旭日双光章受賞。14年から6年間福岡商工会議所副会頭を務めた。

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