適度な植林・間伐の推進で 地域を災害から守る
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味岡グループ 代表取締役 味岡 和國 氏
地球環境保全活動に注力
熊本県球磨郡を拠点に、生コンクリート製造販売から建設、建機レンタル、エネルギー関連まで、幅広い分野の事業を手がける味岡グループ。とりわけ中核事業である生コン製造では、九州各県および広島県、滋賀県に21の製造工場を擁し、年々厳しさを増す同業界にあって着実に業績を伸ばしてきた。
火力発電所の稼働によって発生する産業廃棄物の再利用や、広葉樹の植林推進など、地球環境の保全活動にも積極的に取り組んでいる。同グループ代表の味岡和國氏は多良木町森林組合の代表理事組合長も務めており、森林の整備を通じた雨洪水防止、土砂流出・崩壊防止やCO2の吸収による地球温暖化防止に全力をかたむけてきた。
近年、世界各地で豪雨による山崩れや水害が頻発している。我が国でも、「令和2年7月豪雨」では熊本県を流れる球磨川が決壊・氾濫し、一帯に甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しい。これについて、味岡氏は次のように語りつつ、森林を適切に管理することの重要性を訴える。「集中豪雨が発生した際、山から町へ水が流れ込むなどして大きな被害をもたらすケースが増えてきました。なぜそうしたことが起こるか。それは適度な利用間伐(森林の密度を管理するために行う作業)がなされていないからです。森林は大きな『水がめ』であり、二酸化炭素を吸収して酸素を放出する役割を担っています。木は植えっぱなしでも切りっぱなしでもよくない。何よりも求められるのは、適度な間伐を行っていくことなのです」。
各地域に小規模火力発電所建設を
政府は二酸化炭素の排出量を2030年までに13年度比で46%削減する目標を発表、間伐材を燃料として使用する発電方法は森林の整備・管理や林業活性化に貢献するとしているが、それへ向けての取り組みはなかなか進んでいないのが現状だ。味岡氏は、その原因と問題性を次のように指摘する。「天草郡にある苓北発電所では、CO2削減のために石炭と間伐材を原料とする木質チップとの混焼を行っていますが、同発電所は県西部に位置するため、木質チップの輸送費が嵩み採算が合いません。そうしたこともあり、県内の多くの業者が間伐した木を森林に放置しているのが現状です。その結果、『令和2年7月豪雨』では、放置された木材が山から流れ出し、橋の欄干をなぎ倒すといった大きな被害を招く結果となったのです」。
そのうえで氏は、「国が補助金を出して各地区に木質チップを使用する小規模火力発電所をつくるべきだ」と訴える。そうすることで輸送費が下がり、間伐材の放置などが起こらなくなるからだ。それがCO2の削減にもつながることはいうまでもない。「限られた国の財源で、全国一斉にこうした小規模発電所をつくるのは難しいかもしれません。しかし、台風被害が頻発する九州南部から建設する案などは一考の価値があるのではないでしょうか」(同氏)。災害時に建築資材の供給や復旧土木工事で活躍するにとどまらず、自然災害の発生そのものを食い止めるために、味岡グループの挑戦はこれからも続く。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:味岡 和國
所在地:熊本県球磨郡あさぎり町免田西3278
設 立:1991年2月(味岡(株))
資本金:2,000万円(味岡(株))
TEL:0966-45-4111
URL:http://www.ajioka-trade.co.jp(味岡(株))
<プロフィール>
味岡 和國(あじおか かずくに)
1947年8月30日生まれ。1965年4月味岡建設(株)入社。89年9月に味岡リース(株)、91年2月に味岡(株)を設立、代表取締役に就任。その間、味岡生コンクリートグループを始めとして味岡グループを形成し、代表として率いる。趣味は狩猟。法人名
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