新しい決済システム「スパイダーチェーン」が世界を変える(後)
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(同)K&Nマネジメント CEO
中村 龍道 氏
少数精鋭で画期的な技術を生み出す
──技術開発を担当されているのはどのような方々ですか。
中村 我々は常に限りなく100%を追い求めて活動しています。デジタルの世界は日進月歩ですので、必ず次世代のライバルが現れます。ですからそれに抜かれない、さらに上を目指しています。
画期的な技術を生み出し続けていくには「少数精鋭」である必要があります。大所帯になると1,000人いれば1,000の意見があってもおかしくはありませんし、まとまらないでしょう。我々のような少人数かつ、ハイレベルなプロフェッショナル集団であれば、スピーディーな判断、スピーディーな開発が可能になります。我々のもとにはハイレベル中のハイレベルな人材が集まっています。
ハイレベルな人材は普通の人の仕事の1,000倍を1人でこなすことができます。大企業においてハイレベルな人材が新しいことに挑戦しようとすると、リスクを避けるために挑戦をさせたがらない傾向が会社側にはあります。従って大企業には多くのハイレベルな人材によるハイレベルな技術が「埋もれて」いるわけです。我々はそうした人材を「発掘」しています。ハイレベルな人材にはハイレベルの友人がいるものです。我々に発掘された人材が友人に現在取り組んでいることを話した結果、「君のところはそんなにすごい開発をさせてもらえるのか」ということになり、我々の元にくる。そのプラスの循環があったこともあり、わずか1年半という短い期間でスパイダーチェーン技術を完成させることができたわけです。
開発者はアップル社で技術顧問をしていた台湾人たちです。その面々が一度、台湾に戻り、台湾の大企業に就職したものの、そこでは思ったような仕事をさせてもらえない。彼らのような開発者は常に最先端のことを考えています。しかし、大企業では新しいことに挑戦させてもらえない。それがとにかく不満だったようです。私は今まで日本の開発者しか見ていませんでしたが、世界を見ることによって世界には優秀な人材がたくさんいるのだということを改めて認識させられました。
──その方々が台湾最大の暗号資産取引所をつくった人たちですね。
中村 はい。その面々がすべて我々のもとに集ってきています。彼らが開発したのがオンラインゲームとデジタルウォレットを融合させた次世代型ワールドオンラインゲームの「GORAKU WORLD MARKET」です。
そうしたプロ中のプロたちのおかげでデジタル世界について、ずいぶん勉強させてもらいましたし、さまざまな裏事情についても聞きました。そんな裏事情に通じているのも彼らが本物のプロだからです。デジタルの世界はアナログの世界と違い、すべて「仕組まれている」といっても過言ではありません。デジタルは無条件に信用せざるを得ないように感じるかもしれませんが実際は違うのです。
私が社員たちにいつも口癖のように言っているのは「とにかく正しくやれ」で、自身のモットーでもあります。正しく生きていさえすればお天道さまは必ず見てくれているものです。私たちが今まで生き残っていけているのは正しいことをやり続けたことであり、その結果、今回のような千載一遇のビジネスチャンスに恵まれたのだと思っています。
我々は長いものに巻かれません。我々の道を貫き通してきました。そうしているうちに時代が変わってきたのです。コロナ禍前は常識というものが世の中を支配していました。しかし、この常識って誰がつくったのかわからないでしょう。その常識がコロナによって通用しなくなってきました。よく「日本の常識は世界の非常識」だと言いますが、まさに非常識の世界が日本社会に到来したわけです。
私はコロナ前までマカオに住んでいたのですが、コロナにより帰国を余儀なくされてしまいました。マカオにいたころは「世界の常識」のもとで動いていたわけですが、コロナで日本の常識が通用しなくなり、我々の生きる世界がスタンダードとなったわけです。そうした時流にも乗り、スパイダーチェーンが出来上がりました。コロナ禍がなければスパイダーチェーン技術がこれほど早く完成することもなかったでしょう。
コロナにより倒産する企業もあれば、儲かる企業もあります。我々は間違いなく後者で、時代の流れに早く乗れて、「総合デジタルの世界」をつくり上げることができました。今後も世界に通用するものをつくり続けていきたいですね。
残念ながら日本という国は「デジタル後進国」です。私が日本、そして日本人に言いたいのは「もっとデジタルについて勉強をすべきだ」です。私自身「アナログ人間」でしたが、これからの時代、それでは生きていけないのです。
──今年はどんな1年にしたいですか。
中村 これまで同様、これからも独自の開発をしていかなければならないと思っています。既存のシステムに乗っかっていても改革はできないでしょう。独自のものをつくったからこそ改革ができるわけです。
私は常に「開拓精神」をもって生きてきました。理解されないこと、誤解されることも多々ありましたが、結果を出し続けることで外野を黙らせてきました。今回のスパイダーチェーンは完成してかたちになっています。完成しているものに対してあれこれいわれる筋合いはありません。
スパイダーチェーン技術は万人に受け入れられる技術だと確信しておりますが、そうなるためにはある程度の土台を築いていかなければなりません。地道にスパイダーチェーン技術を広めていくことで、いずれ爆発的に普及していくことでしょう。まずは地道に一歩一歩ですね。
(了)
【新貝 竜也】
<プロフィール>
中村 龍道(なかむら りゅうどう)
1969年6月生まれ、鹿児島県出身。95年、大手土木・建築資材販売・レンタル企業で経験を積んだ後、起業。地元鹿児島を拠点に飲む温泉水の販売、温泉水を使用した基礎化粧品の販売を展開し、成功をおさめる。その後、2004年に中国に渡り、当時としては珍しい日本人向けのナイトクラブを4店舗運営。現地で評判になると同時に、その経営手腕が高く評価され、06年、趙紫陽元中国総理の実子、趙衛國氏らの協力を得てマカオ特別行政区で事業を開始する。
以降、マカオを中心に北京、大連などで精力的に事業を展開。地元鹿児島産の製品やサービスの中国市場での定番化にも尽力した。10年代に入ると米国・ラスベガス市場に参入。ZANN CORPORATIONを買収し、カジノ総合事業を中心としたリゾートプロジェクトやインドネシア、香港、マカオ、中国、台湾などの企業と共同で多岐にわたる事業をスタート。香港、シンガポールでクルーズ事業ZANN CASINOクルーズをグランドオープンさせると、業種の垣根を越え、アパレル、不動産開発などで数々の実績を残す。
現在もマカオ、アジアを中心に、地域振興による世界平和と繁栄を目的として、清濁併せ呑む覚悟をもって活動している。
ZANN CORPORATION Chairman、中国陝西省韓城人民政府顧問。法人名
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