これから本格化する九州地銀の金融再編
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浜崎経営研究所
所長 浜崎 裕治九州地銀の今を読み解く
全国の地方銀行は2022年2月1日現在、第一地銀62行、第二地銀(旧・相互銀行)37行の計99行となっている。全国で地銀は8金融グループ。傘下の第一地銀は14行。第二地銀は4行で、金融再編は第一地銀が主導しているということが読み取れる。九州には地銀が17行ある。県別に内訳を見ていただきたい。
福岡県は5行。第一地銀4行のうち3行(福岡銀行・西日本シティ銀行・北九州銀行)は金融グループ傘下行で、筑邦銀行だけが単独行。第二地銀は1行(福岡中央銀行)であるが、ふくおかFGから頭取を迎えており、ふくおかFGに属している。佐賀県は第一地銀の佐賀銀行と第二地銀の佐賀共栄銀行の2行。ともに単独行。長崎県は第一地銀の十八親和銀行(ふくおかFG)と長崎銀行(西日本FH)の2行。熊本県は第一地銀の肥後銀行(九州FG)と熊本銀行(ふくおかFG)の2行。大分県は第一地銀の大分銀行と豊和銀行の2行。ともに単独行。宮崎県は第一地銀の宮崎銀行と宮崎太陽銀行の2行。ともに単独行。鹿児島県は第一地銀の鹿児島銀行(九州FG)と南日本銀行(単独行)の2行。以上が九州地銀の現状である。
九州地銀の金融再編を大胆予測
では今後の九州地銀がどうなっていくのか、予測していきたい。福岡県の単独行は筑邦銀行1行となっており、九州FGと経営統合するものと推測する。その理由はふくおかFGや西日本FHと経営統合する場合、店舗閉鎖などデメリットが大きいからだ。佐賀県においては佐賀銀行と佐賀共栄銀行が合併し1県1行となり、その後店舗の重複が少ない九州FGと経営統合するものと推測する。長崎県は2行とも金融グループ傘下行であり、現況を維持すると見られる。大分県においては佐賀県と同様に、大分銀行と豊和銀行が合併。その後経済圏が北部九州と密接な関係にあるふくおかFGと経営統合すると予測される。宮崎県も宮崎銀行と宮崎太陽銀行が合併し1県1行となり、経済圏の関係から九州FGと経営統合するものと予想される。鹿児島県においては鹿児島銀行と競合する南日本銀行は、西日本FHと経営統合するものと予測される。
一刻も早く合併・統合を進めるべき
九州では、ふくおかFG・西日本FH・九州FGの3金融グループにより、金融再編が進むものと推測される。コロナ禍で地域経済は疲弊していると言わざるを得ない現在、金融グループに属していない銀行は、今は一刻も早く合併および金融統合を進める時季(とき)ではないだろうか。
<プロフィール>
浜崎 裕治(はまさき ゆうじ)
1945年生まれ、下関市出身。同志社大法学部卒業後、70年山口銀行本店営業部入行。博多駅東・大分・大阪支店を経て、綾羅木・新宿・大阪・北九州支店長を歴任。2001年6月、取締役宇部支店長就任。 05年6月に退任後、数社の取締役を歴任。取締役宇部支店長在任の04年5月21日に開催された臨時取締役会で頭取交代劇に遭遇。それを題材に14年10月15日、『実録 頭取交替』(講談社)を発刊。現在、(株)データ・マックス顧問。関連キーワード
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