縄文道の将来は古神道の魂の追求か
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(一社)縄文道研究所
NetIB-Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第90号の記事を紹介する。縄文以来の日本の霊性の基本は古神道
1:縄文文化は約14,000年継続した世界的に稀有な長期に継続した文化である。
1万6,500年前:縄文草創期、2,500~2,800年前:晩期、弥生文化開始直前まで継続した文化である。
2:日本の精神性の系譜から鳥瞰すると源流で基層であり、屋台骨でもある。
縄文道―古神道である。武士道―神道、仏教、道教、儒教の日本人の倫理、道徳体系である。
3:古神道とは
・縄文文化で形成された日本人の精神性(霊性)の基層は、紀元前660年の初代天皇・神武天皇即位以降の神道へ影響を与えた。
・江戸時代の国学者、契沖、荷田春満、賀茂真淵、本居宣長、平田篤胤が江戸の国学の大家と言われる。日本人の精神性に影響を与えた仏教、儒教、道教の思想を削り落とした最後の純粋性が「古神道」で、とくに平田篤胤が、最高の境地まで極めたことで知られている。
平田篤胤は彼の代表作「霊の真柱」では死後の世界についても、キリスト教(とくにカトリック、マテオ・リッチ宣教師がつくった公教要理の邦訳)を研究したうえでの描写をしている。とくにキリスト教の神・キリストを大国主命として最後の審判を、善魂と悪魂に分けて下す教義を形成した。日本人の思想家で初めての偉業をなし遂げた。この古神道の考えは明治維新に多大な影響を与えた。
とくに「復古神道」として戦前の国家の思想基盤でもあって日本の敗戦後は低い評価であった。もちろんGHQの焚書の対象でもあった。ところが1990年代以降、中央公論、岩波新書でも日本の代表的思想家の全集として紹介されている。
4:古神道は、日本人の自然信仰、祖先信仰、精霊(言霊信仰)、すなわちアニミズムの世界ながら、最も日本人の精神性の源流である。
日本倫理思想家・和辻哲郎著『日本倫理思想史』
「古代、縄文時代において太陽を崇拝し、自然とともに生きることが人々の倫理観の中心であった。」
清い―禊、祓い
禊―海、川、湖などの清浄な水で汚れた身体を清める自然な行為。
祓い―罪、汚れ、疫病、厄災を取り除く神道儀式5:神々と人間をつなぐ言葉に宿る霊―言霊
「古代の日本人は言葉に霊が宿っており、その霊の持つ力が働いて言葉に表すことを実現すると考えていた。言霊の象徴は和歌に表れ、代表が万葉集である。」
やまとことばと古代から話し言葉で使われていたオノマトペである。オノマトペは約4,500字ある。
大和言葉(漢字、外来語を除く本来の和語)
うみ、やま、そら、さと、くも、ありがとう、さようなら、おもてなし、おぼろ、あかつき、たまゆら、おくゆかし、たおやか、いとおかし、概ね、きよらか、おもむき、こころばかり、おもかげ…オノマトペ(擬声語、擬態語、4,500字あり)
『日本語オノマトペ辞典』(小野正弘編集、小学館)
キラキラ、ニコニコ、ランラン、ドンドン、イキイキ、ギラギラ、ポカポカ、カンカン、ゴロゴロ、しとしと、ばたばた、がばがば、ぐっちょり、ぴちゃぴちゃ、ばかばか、ふらふら、まざまざ、かりかり、くすくす、にこにこ、ルンルン、じわじわ、わくわく…例:日本人に勇気と元気を与える言葉。
キラキラ-キラキラと輝き
ニコニコ-ニコニコと笑顔を絶やさず
ワクワク-ワクワクと心を躍らせ
ドンドン-ドンドン前向きに
イキイキ-イキイキと生き抜こう日本語は約8万語と世界最大の語彙をもち、世界の言語をすべて包含できる。漢字、かたかな、ひらがな、外来語を有し、基本語のオノマトペ、やまとことばは縄文語である。
結論:縄文文化1万4,000年は日本人の心のふるさと古神道を生み出した。
・言霊―言葉の霊の力を有する縄文語を育んだ。
・清らかさを象徴する禊と祓いの習慣の基礎を形成し、清い、美しい、平安文学の「ものの、あわれ」の原点でもある。
・自然、祖先、言霊-信仰を育て、日本人の心の原型を形成した。
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