バイデン大統領失敗の本質
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「参院選に向けて日本政治刷新を目指す主権者に与えられた課題は重い」と訴えた5月21日付の記事を紹介する。
米国のバイデン大統領が訪韓し、続いて訪日する。バイデン大統領は22日に来日し、23日午前に天皇と皇居で会見した後、東京・元赤坂の迎賓館で岸田首相と会談する。バイデン氏は拉致被害者家族とも面会。同日夜は東京・白金台の「八芳園」で岸田首相と会食する。
24日にはクアッド(米日豪印)首脳会議が午前に開かれ昼食会が予定されている。同日夕、バイデン大統領は離日する予定。参院選に合わせて内閣支持率を維持するための米国大統領の訪日である。
国会は開店休業状態で6月15日に会期末を迎え、22日に参議院議員通常選挙が公示される見通し。参院選は7月10日に投開票される。参院選が終了すると2025年7月まで国政選挙が行われない空白期間が生じることになる。衆院が解散されれば総選挙が行われるが、衆議院の任期は25年10月まである。
岸田文雄氏の自民党総裁選任期は24年9月までだが、参院選で岸田自民が勝利すれば岸田内閣の長期政権化が視界に入る。1年前に菅義偉内閣に対する風圧が強まり、政権交代の可能性さえ浮上していたことと比較すると隔世の感が強い。
選挙空白の3年間に懸念される最大の事象は憲法改定だ。参院選結果が憲法論議に大きな影響を与えることになる。
岸田首相は4つの幸運を受けている。
第1はコロナが下火になったこと。これは政権の力によるものではない。時のめぐり合わせの問題。
第2はウクライナ戦乱が勃発したこと。米国の命令通りにロシア=悪、ウクライナ=善と唱え、ロシアを許さないと叫んでいれば、メディアは岸田内閣支持の論調を形成する。
第3は前任者の印象が極めて悪かったこと。安倍晋三、菅義偉両首相の対応はあまりにも醜悪だった。政治私物化の醜聞が絶えなかった。人の話に耳を傾けない、質問に誠実に答えない、平気で嘘をつく。こんな前任者のおかげで、普通にしているだけで相対的評価が上がる。
第4は野党が自壊したこと。野党第一党の立憲民主党が崩壊状態にある。このおかげで急浮上しているのが維新。自民補完勢力だ。
7月10日の参院選は敵失で岸田自民が大敗を免れることが確実な情勢だ。主権者は日本国憲法が破壊されることに最大の警戒を払う必要がある。
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沖縄の戦場化推進する岸田内閣壊憲勢力に参議院3分の2議席を付与してはならない。そのために何よりも重要になるのは選挙を棄権しないこと。32の1人区の多くで野党共闘が崩壊しているため、与党が勝利してしまう可能性が高い。だからと言って選挙を棄権してしまえば敵の思うつぼ。選挙に行って壊憲勢力の議席を1議席でも減らすように力を注ぐ必要がある。
同時に、参院選後に向けて力を注ぐべきことは、真の健全野党の中核を再建すること。立憲民主党は自民支援団体と化す連合の軍門に下ってしまった。もはや、日本政治刷新を託すべき勢力ではなくなっている。日本政治刷新を主導できる健全野党の中核を再構築することが必要だ。その意味での「創造的破壊」が必要なのかもしれない。
国民民主党は軍備拡大、原発再稼働推進という本性を露わにした。こんな勢力と共闘していたことを反省する必要がある。この国民民主党が連合と表裏一体の関係にあるのだ。いまこそ、連合は御用組合連合と(労組)連合に分離、分割されるべきだ。参院選に向けて日本政治刷新を目指す主権者に与えられた課題は重い。
※続きは5月21日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「バイデン大統領失敗の本質」で。
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