自由と民主主義否定するウクライナ
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「国際社会は、米国とウクライナを説得して停戦交渉のテーブルにつかせることに全力を注ぐべきだ」と訴えた5月28日付の記事を紹介する。
ウクライナのゼレンスキー大統領は自分自身の利益ではなくウクライナ市民の利益を優先すべきだ。
米国有数のシンクタンクであるケイトー研究所シニアフェローであるダグ・バンドゥ氏が、4月14日、”The American Conservative”ウェブ版に、
「ワシントンはウクライナ人が最後の1人になるまで戦う」
という論文を発表した。
このタイトルがウクライナ戦乱の本質を端的に表出している。
戦争の本尊は米国対ロシア。
戦場はウクライナ。
戦争に駆り出されているのはウクライナ国民。
ウクライナを戦場とする米国とロシアの代理戦争である。
戦乱が始まった直後に停戦協議が行われた。
停戦のための具体的条件までが交渉のテーブルに乗せられた。
ところが、ウクライナがスタンスを変えた。
ウクライナの変節を主導したのは米国である。
戦争を望み、戦争を歓迎しているのは米国。
米国は痛くもかゆくもない。
痛みどころか戦争によって巨大な利得を手にしている。
ゼレンスキーも前線に立っているわけではない。
ウクライナは国家総動員法を制定し、ウクライナ国民を戦場に強制的に送り込んでいる。
それほどまでに戦争が必要なら、ゼレンスキーがドンバスの戦場に入るべきだ。
自分は安全な場所に身を置きながら、国民を強制的に戦場に送るべきでない。
マリウポリの製鉄所に多くのウクライナ市民が立てこもったが、これもウクライナ軍が一般市民を楯として利用したものに過ぎない。
そもそも、この戦乱を回避することは可能だった。
ウクライナ政府はミンスク合意に調印した。
東部2地域に高度の自治権を付与することを約束した。
これを誠実に履行していればウクライナ戦乱は発生していない。
2019年5月に大統領に選出されたゼレンスキー。
選挙公約ではミンスク合意履行による東部地域和平確立を明示した。
しかし、この路線にウクライナの極右勢力が反発した。
2014年の政権転覆は米国が極右勢力と結託して実行した暴力革命によるもの。
新政府は憲法の規定によって樹立された合法的政府ではなかった。
暴力革命によって樹立された非合法政府だった。
新政府は樹立翌日に「ウクライナ民族社会」の設立を発表。
ロシア語を使用するすべての者からウクライナ民族社会の正当な権利を有するメンバーという地位を剥奪すること、
彼らを市民権および政治上の権利において差別すること、
などを定めた。
ロシア系住民を下級国民として差別する方針を明示した。
この非合法政府樹立にロシア系住民が反発した。
これに対して、ウクライナ政府はネオナチ勢力である極右の私兵組織をドンバスに投入。
ロシア系住民に対する残虐行為をエスカレートさせた。
ウクライナ民族主義者はロシア系住民排斥を主張する。
ネオナチ極右組織が政権幹部に登用され、ウクライナ政府はロシア系住民に対する迫害姿勢を強めたのである。
アゾフ大隊に代表される極右私兵勢力はその後、ウクライナ正規軍に組み込まれた。
この勢力はミンスク合意の履行に強く反対した。
ゼレンスキー大統領はこうした極右勢力の批判に晒され、転向したのである。
この「転向」を一気に促進したのが米国大統領選でのバイデン選出だった。
バイデンは2014年のウクライナ政権転覆工作の総責任者である。
現場責任者がヴィクトリア・ヌーランド国務次官補だった。
※続きは5月28日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「自由と民主主義否定するウクライナ」で。
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