2024年09月15日( 日 )

新たな船出「ライオンズクラブ337-A地区」 新設のリジョンと今後(後)

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「再生と進化」を推進した古川前ガバナー

 2021年7月1日から今年6月30日まで、337-A地区をけん引した古川隆前ガバナー。コロナ禍の下という厳しい状況で、ガバナーの任務を全うした。

 古川前ガバナーは「再生と進化」を提言し、1年間丹念に各RおよびZ、そしてクラブを回り、コミュニケーションを図った。

 5月に実施したインタビュー取材で、「福岡にライオンズクラブが来て67年。これまで数多くの諸先輩方が積み上げ、培われた“We Serve(我々は奉仕する)、心からの奉仕(Service From the Heart)”の伝統を受け継いで今日に至っています。他方で、社会情勢の変化にともなったスピード感あるアクティビティなどの日々の活動については、より進化が求められています。スピード感ある活動の一環として337-A地区独自のLINEアカウントを新設し、ここに登録するよう呼びかけました。“お友達大作戦”として私が公式訪問したRなどの例会で、“スマホを出してください!LINEのアカウントQRコードを読み込んで登録をお願いします”と呼びかけました。現在、約1,300名のメンバーが登録してくださっています。今後は100%に近いメンバー登録を目指していただきたいですね」と語った。

会員とのネットワーク イメージ    LINEにより、ガバナーレターなどの各種伝達事項がよりスピーディーに配信され、活動もスピードアップしたという。また、今年3月に博多座を貸し切り、同地区内メンバーに観劇を呼びかけ、当時は新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置の実施中にもかかわらず、約1,100名のメンバーがチケットを購入し、観劇した。「チケット購入金額の一部を、各クラブの活動資金に充当させる仕組みをつくりました」(古川前ガバナー)。

 「再生と進化」を掲げた古川前ガバナーによる同地区の1年は幕を閉じた。ライオンズクラブのメンバーとなって20年以上の古川前ガバナーは、次のように話す。

 「当時と比較して会員数の減少が顕在化しています。6,000名の会員が現在は約3,800名です。半減とまでは言いませんが、減少していることは事実です。このまま何もしない場合、15年で消滅してしまいます。減少の要因は、時代に沿った変化と進化のスピードがやや遅かったことと分析しています。そして“楽しい・うれしい・行きたい・会いたい・参加したい”とするクラブづくりが、各クラブでできているのか。今一度、検証する必要があります」。

 「ライオンズクラブの発展の源は、会員の増員です。ライオンズクラブの会員は、“仲間づくり─お互いに生涯の仲間として付き合おう”とする姿勢が原点です。会則や規則よりも、そちらが大切なのです。スローガンである“337-A地区は1つ─シンボルマークには銀杏が重なり合い、会員同志が手と手を取り合い1つになる。仲間意識を高め“337-A地区は1つ”という共通の意識をもち、1つの束となり、お互いに気付き、影響し合い成長していく─今こそ地区が1つになり、『100年先の未来に続く地区づくり』を一緒にする。間もなく新たなガバナーでの体制となりますが、“337-A地区は1つ”の思いは引き継いでより強固に一枚岩になって、進化・発展を進めていただきたいですね」と今後の同地区への思いを熱く語った。

 その古川前ガバナーの熱き思いは、新たな6R新設にも伝わっているようだ。

横のつながりを密にする組織へ

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 6R・RCの手嶋氏は「14クラブが新たなRに移ります。そのうち2クラブが合併し、新生6Rは13クラブになります。具体的な活動指針は、Rをコンパクトにすることにより、R間の交流を活発にすることです。合同のアクティビティなどを通じて、比較的在籍年数の浅い会員同士の交流を促し、ライオンズクラブの楽しさを知ってもらい、同時に各クラブの意向を重視し、不公平のないRにしたいと考えています。6Rは会員数の減少を防ぎ、年間30名の純増を目標とし、5年間で150名の会員増を目指します」と新たなRについて語る。続けて、次のように話している。

 「近年、自然災害が相次ぎ、各クラブ単独では対応できない迅速かつ大規模な支援活動が必要とされています。LC地区会則に則った適正なクラブ数のRとなり、クラブからボトムアップで情報を収集できる体制を整えます。そしてニーズを素早く把握し、合同のアクティビティなどを迅速に決定し、実施します。つまり、LCならではの連帯を感じさせる活動を目指すことにより、LCの活動がより多くの方々の目に触れ、女性や若年層などの新しい風となる会員の開拓を目指します。今回のR設立は、破壊という趣旨ではなく、建設であることを加えておきます」。

 新設に至るまでは決して順風満帆ではなく、各クラブの説得が必要であった。「とくに前RCのL・阿部浩二には、29クラブのトップとして丹念にステップを踏み、準備を進められたことに敬意を表します」(手嶋6R・RC)。そして今年3月18日のR会で新設の決議が行われた。29クラブのうち、有効票19クラブ、賛成15クラブ、反対4クラブの賛成多数の結果となった。5月23日に開催されたキャビネット会議で賛成多数により、6R新設が決定した。

 2Rの志が高い方々の尽力により、今年7月から同地区は6Rの新体制となり、新たな船出となる。6Rには、LCの理念である「We serve」に沿った一体感のある奉仕活動の実施が期待される。

(了)

【河原 清明】

(前)

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