開拓精神で金融デジタル化をリード 世界初、オンラインとの融合を
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ZANN CORPORATION
デジタル金融の世界で長年事業に取り組んできたZANN CORPORATION Chairmanの中村龍道氏。今後、デジタル金融へのシフトが進むとして、人々が使いやすいデジタルウォレット(電子決済)のシステムを構築してきた中村氏が次に打つ手はリアルの金融システムとの連動だ。先日新興国の銀行を買収し、世界初となるデジタルウォレットとリアルの銀行を連動させることにより、世界中の人が使いやすい低廉なシステムの実現を目指す。
進化するデジタル金融
現在、仮想通貨などを中心とした「デジタル金融」の存在感が日増しに大きくなっている。ZANN CORPORATION Chairmanの中村龍道氏によると、アメリカ、中国含め、デジタル金融へのシフトは世界的な潮流だという。中村氏は、そうしたシフトにより今後金融機関の在り方や市民の金融へのかかわりを含め金融の世界が大きく変わることを数年前から予測し、対応していくための取り組みを行ってきた。
その重要な取り組みの1つがデジタルウォレット(以下、ウォレット)だ。これは電子マネーなどを所有・保管・使用するための財布としての役割をはたす。スマートフォンやタブレットなど端末上のアプリで電子商取引(EC)の決済などに利用される。
このウォレットには多様な使い方がある。ZANN CORPORATIONのシステムは、法定通貨、仮想通貨、その他の通貨も含めて、自身で好きなときに瞬時に両替、口座送金ができるという点で画期的な特徴をもつ。ウォレットはジョージアの経済特区においてライセンスを取得しており、同国政府のお墨付きだ。
リアルとデジタルの融合
中村氏はオンラインゲームとウォレットを融合させた事業を行うなど、デジタルウォレットを連携させた事業の経験を豊富に有している。
その中村氏が現在、取り組んでいるのが、ウォレットとリアルの銀行のシステムを連動させ、新たな金融の世界を切り拓くことだ。中村氏は、先日、新興国の銀行を買収する契約を締結した。ウォレットの即時性と銀行の信用を組み合わせることで、ウォレットで送金し、世界の銀行で銀行のキャッシュカードを用いて入出金することができるようにシステムの構築を進めている。中村氏の知る限り、このデジタルウォレットとリアルの銀行の連動、いわばアナログバンクとデジタル・バンクを統合したケースは、世界でも例がないという。
これにより、リアルの銀行もウォレットを活用することができる。国境の概念がなくなり、その銀行の店舗がある国の住民のみならず、他の国の民も、店舗に足を運ばなくても口座を開設することができるようになるという。中村氏はこのシステムについて、「ユーザーが本当に求めているサービスを提供する、ユーザーのための銀行およびウォレットをつくり上げた」と自負する。金融のすべてを網羅したものであり、従来の世界とは大きく変わる。年内にはスタートさせる予定だ。
安全に利用できるシステムを
中村氏がシステムの構築において、重視したのが、自律的で安全なシステムの構築だ。システム、暗号通貨ともに独自のものを利用することにより、ビットコインなど世界の特定の通貨に左右されないようにした。
そのカギとなるのが、「スパイダーチェーン」という次世代の技術だ。一般のセキュリティシステムはその提供者か政府などの中央の機関が情報を保有し管理するシステムであるが、スパイダーチェーンでは情報は個人のところに留め置かれる。他者との取引などで必要なときにだけ情報を取り出すシステムであり、その点で情報流出のリスクは低いという。中村氏は高度化、複雑化するブロックチェーンについて、シンプルなシステムこそが情報漏洩を防げるという考えをもつ。こうしたアイデアは、ブロックチェーンのシステム構築に長けたあるエンジニアとの出会いにより生れたという。
安全面において、中村氏はブロックチェーンの仕組みとの違いを以下のように説明する。ブロックチェーンは紙幣の名前を所有者が変わるたびに更新していくイメージであり、取引時、最後の持ち主から最初の持ち主までの情報の履歴をすべて遡って確認するため、その確認に時間と電気代を要し、ネット環境が必要となり、その分情報漏洩のリスクも高まる。しかし、スパイダーチェーンでは、最後およびその1つ前の持ち主と最初の持ち主の確認だけで済むため、時間も電気代も抑えられ、オフラインで決済できる。このようにセキュリティが向上したのみならず、電力不足という社会課題に対しても貢献できるシステムだ。
決済に必要な端末もシンプルで総じてコストが低いことから、取引にかかる手数料も低く抑えられる。手数料はクレジットカードやQRコード決済よりはるかに低く、1%以下でも採算が合うとしており、将来的には0.1%で提供することも考えている。中村氏はZANNグループの1社で深圳証券取引所に株式店頭上場している志聘環保科技(深圳)有限公司により、このスパイダーチェーン技術を武器に中国市場を開拓することも考えている。それだけの可能性を秘めた技術と見なしているのだ。
「開拓精神」を掲げる中村氏。この新しい金融サービスが年内にスタートし、近い将来日本でもその恩恵を享受できるようになるのか、注目される。
【茅野 雅弘】
<COMPANY INFORMATION>
代 表:中村 龍道
所在地:(本社)
アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガス
(マカオオフィス)
南湾大馬路429号南湾商業中心27F-32
(インドネシアオフィス)
Meruya Utara/ilir No.12.Kembangan, west Jakarta
(日本オフィス)
鹿児島市下荒田1-4-13
設 立:1999年3月
URL:https://www.zann-hd.com
<プロフィール>
中村 龍道(なかむら・りゅうどう)
1969年6月生まれ、鹿児島県出身。地元鹿児島を拠点に飲む温泉水の販売、温泉水を使用した基礎化粧品の販売を展開し、成功をおさめる。2004年に中国大連に渡り、当時としては珍しい日本人向けのナイトクラブを4店舗運営。現地で評判になると同時に、その経営手腕が高く評価され、2006年、マカオ特別行政区で事業を開始する。2010年代に入ると米国ラスベガス市場に参入。ZANN CORPORATIONを買収し、カジノ総合事業を中心としたリゾートプロジェクトやデジタル金融プロジェクト事業を開始。業種の垣根を越え、数々の事業実績を残す。ZANN CORPORATION・Chairmanのほか、人民日報海外版日本月刊・理事、中国陝西省韓城人民政府・顧問、日本深圳経貿文化促進会・副会長などを務める。関連記事
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