「核兵器のない世界」のために 長崎被爆平和祈念式典に寄せて
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DEVNET INTERNATIONAL
世界総裁 明川 文保 氏Net I・B-Newsでは、ニュースサイト「OTHER NEWS」に掲載されたDEVNET INTERNATIONALのニュースを紹介している。DEVNET(本部:日本)はECOSOC(国連経済社会理事会)認証カテゴリー1に位置付けられている(一社)。「OTHER NEWS」(本部:イタリア)は世界の有識者約14,000名に、英語など10言語でニュースを配信している。今回は8月19日掲載の記事を紹介する。
長崎出身のサッカー日本代表キャプテン吉田選手は、8月9日、自身のインスタグラムに77年前の長崎と今の長崎の写真をアップしたうえで、「子供たちに何を残したいですか?戦争をやめろ」と書き込みました。「戦争をやめろ」というメッセージは私達の多くが共有するものです。岸田総理は、同じ日に開催された長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に於けるあいさつで、「核兵器のない世界と恒久平和の実現に向けて力を尽くす」と述べています。
岸田総理は広島県の出身です。3日前の広島での平和記念式典においても、また長崎の式典においても、自らがニューヨークで開催されている核不拡散条約(NPT)の再検討会議に参加し50年あまりにわたり世界の平和と安全を支えてきたNPTの維持・強化を訴えてきたことを強調しました。もちろん、岸田総理は本気で「核兵器のない世界」を実現させようとはしているのでしょうが、私たちはやはりがっかりするしかありません。サッカー選手と首相とでは立場も違いますが、岸田総理にも吉田選手と同じように「戦争をやめろ」と言って欲しいと私たちは感じているのではないでしょうか?
田上長崎市長は長崎平和宣言のなかで、今年行われている2つの重要な会議について述べています。1つは、現在開催中で、岸田総理が出席した核不拡散条約(NPT)の再検討会議です。もう1つは、6月にウィーンで開催された核兵器禁止条約(TPNW)の第1回締約国会議です。2つの条約は、それぞれ互いに補完するものとして、国連のグテーレス総長もNPTの締結国に対して核兵器禁止条約への参加を強く呼びかけています。田上市長は、唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約に署名、批准することを日本政府に訴えています。残念ながら、岸田総理による核兵器禁止条約に対しての言及は、広島においても長崎においても、一切ありませんでした。
現在、日本はロシアに対する経済制裁を行っています。しかしながら、他の欧米諸国と同じく、それらのほとんどはロシアの経済ではなく自国の経済を苦しめ、物価の上昇、物資の不足を引き起こしています。戦争が長引くほど、経済的損害は大きくなるばかりです。「核兵器のない世界」は平和のための前提条件ではなく、逆に平和によってのみ実現可能なものではないでしょうか?広島・長崎の被爆者の方々の犠牲を無駄にしてはいけません。今、私たちがすべきこと、日本政府、岸田総理がすべきことは、戦争を止める努力をすることです。 日本のリーダーにこそ、「戦争をやめろ」というメッセージを世界に向けて発信してほしいと私は強く思います。
核保有国が増える(核が拡散する)ことを防ぐ目的で1970年に発効した核不拡散条約(NPT)は、5つの核保有国(アメリカ、フランス、イギリス、ロシア、中国)が核兵器の全廃に向けて努力していくことを義務付けていますが、核軍縮はまったく進んでいません。核兵器禁止条約はそんな状況に不満を持つ核兵器をもたない国々の主導のもと2021年に発効したのです。唯一の被爆国である日本こそが、「核兵器のない世界」の実現のためにリーダーシップを示さなければならないのではないでしょうか?
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