丸松セム(株) 取締役会長
八頭司 正典
京セラを立ち上げ、第二電電創業者を経て日本航空を会長として陣頭指揮して再生させた実績、このような異業種にわたって1兆円を超える企業経営を果たした故人・稲盛和夫氏のような経営者は、日本にはもはや存在しない。「盛和塾」においては全国、全世界の経営者育成に貢献された。今回は、盛和塾福岡で初代の代表世話人を務めた丸松セム(株)の取締役会長・八頭司正典氏に、稲盛氏への追悼メッセージをいただいた。

取締役会長 八頭司 正典 氏
稲盛さんは、一言でいうならば“神様みたいな人”です。経営者として超一流なのはもちろんなのですが、稲盛さんの場合はそうした領域を超越した、人間として超一流の方でした。
稲盛さんの教えは、「人間として何のために生まれてきたのか」「魂を高めていく生き方をしないといけない」──というようなことを諭してくれる哲学のようなもので、稲盛さんはいわば“人間道の神様”のような方だったと思います。稲盛さんからは、ただ経営についての教えだけでなく、もっと大事な、人間としての生き方──「魂を高めていくこと、人間性を高めていくことこそが、人生の究極である」ということを教えていただきました。
また、経営に関しても、きちんと利益を出して社員を幸せにしていくことが会社の目的であり、社長の役目だという教えをいただきました。その稲盛さんの教えの下に私も会社経営に励み、今日まで会社を維持・発展させることができました。本当に感謝しております。
私自身、まだまだ稲盛さんの境地には到底およびませんが、稲盛さんと出会えて引き立てていただいた分、出会う前と比べれば、いくらかは人間として成長でき、魂も磨かれたようにも思います。稲盛さんと出会え、そして教えを受けられたことは、本当に幸せでした。
今はただただ心からの感謝の念とともに、ご冥福をお祈りいたします。