2024年09月16日( 月 )

特定業者のみ落札か 佐賀県の水道工事入札に潜む「闇」

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 佐賀県内の水道工事の入札結果に対して疑問を呈する声が、複数の関係者からデータ・マックス編集部のもとに寄せられた。関係者から寄せられた情報は、以下の通り。

闇 イメージ    まず、佐賀西部広域水道企業団発注の水道工事の入札公告には、小規模事業者が入札に参加しづらいような資格要件が提示されている。また、これまで大半は佐賀市の大手施工業者「九州水工設計(株)」が落札しており、関係者の間では入札方法に関して疑念が広がっている。

 佐賀西部広域水道企業団の入札に参加するには、入札公告に記載された参加資格要件の11項目すべてを満たす必要がある。この11項目中、大小の施工業者のほとんどは、7~8項目の要件を満たすことはできるが、「技術士法に基づく技術士の資格を有する者」という要件については、水道工事の業務概要によって「上下水道及び工業用水道部門」と記載される場合と、「上水道及び工業用水道部門並びに下水道部門」と記載される場合があり、佐賀県内の業者で、上記の業務概要に該当する技術士は、一部の大手施工業者しか雇用していないのである。佐賀西部広域水道企業団は、あえてこのような参加資格要件を設け、九州水工設計に落札させようとしているのではないか。そのような声が業者の一部から挙がっている。

 また、佐賀県に限らず、一般に入札に参加を希望する企業などが作成・提出する申請書類は、発注元が定めた書式を使用して記入し、提出する必要がある。この定められた書式に従わずに作成したり、提出期限に間に合わなかったりすると当然、申請書類は無効となってしまうのが普通である。ところが、九州水工設計は、定められた書式に従わずに申請したにもかかわらず、佐賀西部広域水道企業団はそれの書き換えを許可し、提出期限が過ぎていたにもかかわらずその書き換え書類を受理している。その結果、九州水工設計が落札してしまった。

 データ・マックス編集部は以上の情報をもとに、この件に関して佐賀西部広域水道企業団に取材をしてみた。すると、「九州水工設計を意図的に選んでいるという事実は一切ない。九州水工設計は基礎データをもっていて、安い価格を提示できるため、確かに以前はよく落札していたが、今年はほかの業者も頑張っている」という答えが返ってきた。また、九州水工設計総務部は、「一般競争入札なので、不正は不可能。官製談合をするなどあり得ない」とした。

 今回の件で、仮に関係者が証拠資料をもって警察に訴え出れば、佐賀県警本部捜査二課が動き出すとしても何ら不思議はない。編集部では今後も本件に関する取材を重ね、NetIB-Newsで続報を発信していく予定である。

【データ・マックス編集部】

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