福岡市保育協会補助金廃止、議会で疑問の声相次ぐ
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長時間保育を実施する保育園の職員の処遇改善のためなどに、福岡市が支給していた補助金の廃止をめぐって、市議会6月議会で市議の疑問の声が相次いでいる。同補助金は、市が市保育協会を通して保育園に支給してきたが、2015年度に入って支給が停止された。市は、国の「子ども子育て支援新制度」の導入を理由に「長時間保育手当」などを廃止する方向。補助金は予算として計上され、議会の承認も得ているが、現在執行停止されている。保育協会が記者会見で明らかにし、撤回を求める市民の声が広がっている。
23日の一般質問では、阿部真之助市議(自民)、平畑雅博市議(みらい)が保育協会補助金問題を取り上げた。
阿部市議は質問で、「保育士の処遇改善に積極的に取り組んでいる保育所には、市単独での支援など独自制度が必要」「他都市のモデルとなるような保育士の処遇改善に向けた新たな補助金の仕組みを福岡方式としてぜひ創り上げてほしい」と、現行の補助金が廃止となったとしても、保育士の処遇改善に市独自の補助金を支給すべきとした。2013年度経常収支で、増改築にかかる借入金などで赤字経営となっている民間保育園が182園中65園で全体の35%に上ることを明らかにした。
高島宗一郎市長は、「補助金の必要性について市民のご理解を十分に得られ、また保育士の処遇改善にもつながるような市の補助のあり方について、議会や有識者による外部委員会の意見を伺ったうえで、最終的な判断をしていきたい」と答弁した。
平畑市議は、「保育士の処遇改善は大切であり、いままで通り補助すべき」として、市の見解をただした。
こども未来局長は「長時間保育手当は開所時間を延長することにより朝夕の保育の充実をはかるための費用として保育士の処遇改善に一定の寄与をしてきた」としながら、「新制度での運営費の公定価格には、従来の補助金を上回る額が措置されており、手当相当分は各保育所で支給してもらいたい」と答えた。
これに対し、平畑市議は「市の提示する要綱に『長時間保育は処遇改善費』と明記してあり、置き換ええることは困難」と指摘。また、保育協会補助金廃止の撤回を求め11万人を超える署名が集まっているとして、「(補助金継続について)市民の理解はもう十分に得られているのではないか」として補助金の継続を求めた。6月議会の一般質問では、24日に倉元達朗市議(共産党)、25日に川口浩市議(無所属)が保育協会補助金廃止問題について、議会で取り上げる。
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