2024年12月23日( 月 )

福岡地区生コン協組、「サカヒラさんをトップに」(4)

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fukei_fukuoka 2013年5月、福岡地区生コンクリート協同組合の理事長に就任した萩野順司氏は、麻生コンクリート工業(株)(旧社名福岡コンクリート工業、13年1月に現社名に変更)の代表である。「萩野氏は、麻生グループのトップである麻生泰氏の肝いりだ。また、慶應義塾大学ラグビー部の先輩・後輩である」(前出の福岡地区の生コン業界関係者)と言われるように、萩野氏は麻生グループの中核にいた人物である。
 萩野氏が理事長になった経緯は、「セメント系列での順番であろう。以前の島松さんが三菱系、野見山さんが太平洋系。そして萩野さんは麻生セメント。決まったルールはないが、セメント会社の系列で回っている」と同組合幹部。

 麻生セメントの大得意先の1社とされる(株)サカヒラ。同社には麻生グループからの受注実績があり、双方“盟友”関係と見られる。14年10月に社名を変更し、忠一会長、隆司社長の新たな経営体制の発足、そして新社屋が落成したことで、その記念パーティが同年の11月に開催された。来賓には衆議院議員、副総理・財務大臣・金融担当大臣の麻生太郎氏(当時の選挙戦の最中でパーティには欠席したという)、(株)麻生の代表など、福岡の政財界のメンバーが名を連ねた。麻生グループとの関係は深い。
 「組合の萩野理事長は1期目を今年(15年)で満了したが、今期も留任された。推察の域を脱しないが、忠一会長か隆司社長が次期理事長に就任するための準備かもしれない」と語る地元生コン業界関係者。前述通り、萩野理事長は麻生グループの所属である。連携は取れるであろう。
 また、福岡地区にある麻生グループの生コン工場の1つを、「同社に譲ってもいい」という情報も入ってきている。麻生グループが同社の組合加入のサポートを行う──福岡地区におけるセメント供給のシェア争い=麻生セメントが地元福岡のメーカーの威信にかけて、太平洋セメントと熾烈な戦いに挑むという見方もできる。

 同社の同組合への加入の行方は、まだわからない。結論を述べると、同社が組合のトップに就くことが、現状で最良の選択であると見る。表立って意思を明かさないが、それを望んでいる組合工場も存在する。それなぜか。それは、同社の忠一会長が本物のリーダーだからである。忠一会長は、“無敵”である。他社他人との勝負ではなく、忠一会長ご自身のなかで戦っているのだ。忠一会長の胆力と繊細さが、今の同社の原動力であり、それはこれからも変わらないであろう。
 「成金や虚業ではない、同社が地道に事業で培った企業力である。今日のサカヒラの礎をつくった忠一会長は、常に堂々として精力的に活動している」と、常に不動心で経営に集中する姿勢は、今の同組合のリーダーに一番必要な資質であろう。

(了)

 
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