長崎市大浦町で姿を消した生活道路の今
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少なくとも明治時代から、周辺住民が通行していた生活道路が、法務局の地図では「水」(水路)とされていた。その誤記が原因で、水部分以外は市有地ではないと考えた隣接地を所有する地権者は、その隣接地を駐車場にする際、生活道路も含めて工事を行ったが、福岡高裁が誤記は明らかと判断。問題の現場では復旧工事が行われ、長崎市が長崎地方法務局に地図の訂正を求めるなど、改善に向けての動きが始まった。
問題の原因は、法務局の電子地図の誤記だが、事を大きくしたのは、長崎市に大きな責任があると言わざるを得ない。一連の取材で見えてきたのは、この生活道路が、道路だったり、水路だったりと、“部署によって認識が異なる”という驚きの実態だ。市都市計画部建築指導課は06年6月30日に現地調査に基づき、この生活道路に連なる道を建築基準法の道路とみなす「2項道路」に指定。ところが、市土木総務課は、その3年後、法務局の誤記に基づき、市有地は水路部分と考えて新たに境界を設け、暗渠になっている部分以外を現在、病院が建っている隣接地に含めてしまった。市有地の管理者自らが、誤解の前例を作ったかたちである。誤記の修正、生活道路の復旧、市有地に戻すための登記の変更など、しっかり後始末をすべきだろう。
【山下 康太】
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