2024年12月26日( 木 )

ファミマとドンキの意外な提携のワケ、ドンキがユニーを買収する!!(前)

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 6月13日、ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)(株)と(株)ドンキホーテホールディングス(HD)が業務提携を発表した。
 ユニファミマHDは、コンビニエンスストアの(株)ファミリーマートと総合スーパーのユニー(株)を傘下に持つ。ドンキHDはディスカウントストアの国内最大手(株)ドン・キホーテが中核だ。意外な組み合わせに、波紋が広がった。提携の意図は何か。大胆に予測してみよう。ズバリ、ドンキによるユニーの買収だ!!

ドンキが提携を仕掛けた

 両社の発表を受けての、株式市場の反応が面白い。翌14日の両社の株価は、反応が分かれた。ユニファミマHDの終値は前日比3.6%高の6,300円に上昇。一方、ドンキHDの終値は同1.7%増の4,330円にとどまった。
 市場は、この提携のメリットが大きいのはユニファミマの側であって、ドンキにはそこまで大きなメリットはない、と判断したということだ。この認識には、納得できる。
 というのも提携はドンキが仕掛けたものだった。日本経済新聞電子版(6月13日付)が、こう報じた。

〈13日に電話会見したドンキHDの高橋光夫専務は「両社は業態が異なり、出店地域の競合も少ない。商品開発だけでなく、物流や仕入れ体制の強化で双方がコストダウンを目指せる」と説明した。5月にドンキHDがユニファミマHDに交渉を持ちかけたという。〉

 なぜ、ドンキは提携を迫ったのか。総合スーパーのユニーの立て直しに四苦八苦している今が、ビジネスチャンスと読んだからだろう。

ユニファミマのお荷物は総合スーパー

 2016年9月、旧ファミリーマートがユニーグループ・ホールディングス(株)を吸収合併するかたちで、持ち株会社ユニー・ファミリーマートホールディングスが誕生した。旧ファミマは、ユニーグループのコンビニ(株)サークルKサンクスを吸収して新ファミマに。ユニファミマHDは、傘下にコンビニの新ファミマと総合スーパーのユニーを持つ体制に移行した。

 ユニファミマの17年2月期の連結決算(日本会計基準)は、統合後の初決算になる。旧ファミマの16年3~8月期と統合会社の16年9月~17年2月期を合算した。売上高にあたる営業収益は前期比2.1倍の8,949億円、営業利益は15%増の560億円。だが、不採算店舗の減損の影響で、純利益は10%減の190億円だった。

 決算説明資料に参考として添付されている通期累計実績によると、ユニー(単体)は565億円の純損失を出している。統合までに減損処理したが、統合後も半年で22億円の純損を出した。ユニファミマにとって、ユニーが重荷になっていることがわかる。

 18年2月期からは、国際会計基準(IFRS)に移行する。会計基準が異なるため単純比較はできないが、売上高にあたる営業収益は1兆2,373億円、営業利益は412億円、純利益は240億円を見込んでいる。その計画達成には、ユニーの収益力の回復がカギを握る。

 ドンキとの提携発表で、ユニファミマの株価が上昇したのは、ユニーが展開する総合スーパーの立て直しにつながると期待する買いが入ったからだ。

(つづく)

 
(後)

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