2024年12月23日( 月 )

地域の安全を守る!長崎県に普及した『水道直結型スプリンクラー』

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(株)長崎ユタカ

工夫と熱意で行政を動かす

水道直結型スプリンクラーを用いた安全対策 水道直結型スプリンクラーを用いた安全対策

 全国的に消防団員の数が減少しているなか、消防車が容易に入っていけない斜面地の建物が多い長崎県において、初期消火と火の広がりを抑制するうえで、スプリンクラー消火設備が果たす役割は大きい。だが、ポンプやタンクなどを必要とするスプリンクラーは、多額の設置費用がかかるため、かつて設置が義務付けられていなかった小規模の社会福祉施設では普及せず、そうした未設置の施設で尊い犠牲をともなう火災が度々発生した。

 長崎県で消防用設備の設計・施工およびメンテナンスなどを行っている(株)長崎ユタカ(本社:長崎市五島町)では2007年から、長崎県内で先駆けて、『水道直結型スプリンクラー』の設置を始めている。このタイプのスプリンクラーはポンプやタンクの設置が要らないため、費用を格段に安く抑えることができる。だが、その一方で、水道を利用するため、設置先の自治体の水道局ごとに許可を得なければならないという課題があった。

 前例がないことに腰が重い行政を動かしたのは、市民の安全に貢献しようとする同社の熱意だ。「逆流対策として『減圧逆止弁』を設けるといった工夫を施し、飲料用の水と混入しないようにしてあります。また、火災が起きてからでは遅いと危機感に訴えて周りました」(平山隆一常務取締役)。同社の取り組みによって、『水道直結型スプリンクラー』の設置において、長崎県は全国トップクラスの普及率を誇るまでになったという。

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(株)長崎ユタカ 野田 賢司 代表取締役

 1972年の設立から43年目となる今年7月20日、創業者である父・野田正氏の後を継いで、野田賢司氏が代表取締役に就任した。9年前に故郷に戻り、同社に入社して経験を積んできた賢司氏は、「誠実な姿勢で仕事に取り組み、会社を維持し、地域社会に貢献していきたい」と語る。設置した消防設備、警報装置などの突発的な不具合や誤作動に対処するため、交代制で24時間待機するなどアフターフォローにも万全を期している同社。新代表のもと、「地域の安全を守る!」と、使命感に燃えている。

【山下 康太】

<COMPANY INFORMATION>
(株)長崎ユタカ
代 表:野田 賢司
所在地:長崎市五島町6-17
設 立:1972年2月3日
資本金:2,000万円
TEL:095-826-8555
FAX:095-826-9446
URL:http://nagasakiyutaka.com

 

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