複雑なニーズに対応するマンション管理支援ネットワーク長崎(前)
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7月24日、長崎市で、各種専門業者による任意団体「マンション管理支援ネットワーク長崎」の設立総会が開催され、正会員企業の賛成多数によって、同日設立した。同団体は、建設、管工事、警備、管理、不動産、建築士など、マンションやビルの管理運営や維持・保全に関わる専門業者で構成され、一般社団法人 長崎県マンション管理士会と連携し、マンションの改修や建て替えに即応できる体制をとっていく。今回は、同団体の理事長に選ばれた田口精一氏に、同団体の概要や長崎におけるマンションの建て替え需要、その特性などについて話をうかがった。
信頼関係を土台に設立
――はじめに、今回の団体成立までの流れについてお聞かせください。
田口精一理事長(以下、田口) まず、NPO法人であった長崎県マンション管理士会が今年4月に一般社団法人化しました。それにともない、NPO時代に賛助会員であったマンション管理士ではない企業の方々で結成することとなりました。
賛助会員制度ができたのは、2007年7月の当初は任意団体であったマンション管理士会組織のNPO法人化にともなったものでした。そのきっかけは、マンション管理士の資格制度ができ、その合格者が誕生した際に、国交省の外郭団体であるマンション管理センターが作ったサイトでした。そこには合格したマンション管理士の個々の情報を載せてあり、そこを経由して相談が寄せられていたのです。しかし、当初は自分の身分を隠しての問い合せが多かったことから、よりオープンに相談ができる組織にし、さらに認知を上げるために、NPO法人化したという経緯があります。
また、その頃には管理士だけでは対応できない案件も増えていましたので、それまでの信頼関係を土台にして賛助会員制度が作られたということです。
一般社団法人化にともない、マンション管理士ではない事業者の参加、および賛助会員制度は認められなくなりましたが、せっかく構築できた信頼関係をなくしてしまうのはもったいないということで、今回、任意団体として新たに「マンション管理支援ネットワーク長崎」を設立することとなりました。――マンション管理士会がNPO法人の時から、同様の動きをしていたということですね。
田口 はい。今までやってきたことを継続するかについては6月11日に説明会を行い、賛助会員であった各企業の意思を確認しておりますが、やることについては、これまでと全く変わりません。
――すでに活動の実績があるということになりますね。では、NPO時代に実際に取り組んだ事例について教えてください。
田口 あるマンションの事例で言うと、外壁のタイルが落下について相談を受けましたが、そのマンションでは施工業者が、過去2回、足場をかけて外壁の修繕をやっていたのですが、その後、施工業者が倒産してしまい、3度目にタイルが落下した際、どこに相談していいのか困っていたそうです。それでまず、マンション管理士会に相談があり、依頼を受けて建築士が現場を見に行きました。2回修繕をして再度落ちたということは、見落としがあったか、その後、過去調べた時に健全だったところが浮いたのか、2つの原因が考えられます。調査を実施し、後でタイルが浮いたと判断し、住民の方々への説明と了承を経て、外壁のタイル全体をネットで覆い、アンカーで指示し、樹脂で固めるピンネット工法をとることになりました。
――流れとしては、まず、マンション管理士が相談を受け、建築士が調査を行い、紹介された建築業者が施工を行ったということですね。
田口 専門業者のアシストがあるので、マンション管理士も具体的な提案を行うことができ、管理組合の皆様への説明もスムーズにいくという利点があります。また、修繕には、当然ながら、費用がかかりますので、修繕積立金が不足している場合など、管理組合の運営においてはマンション管理士の力が必要となります。
(つづく)
【聞き手・文:山下 康太】<お問い合せ>
マンション管理支援ネットワーク長崎
所在地:長崎市宝町5-5 HACビル7階
TEL:095-865-9676
FAX:095-865-9683関連記事
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