アビスパ 安定感あるツエーゲン金沢との対戦は?
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J2のアビスパ福岡は、2015年8月8日に明治安田生命J2リーグ第28節、ツエーゲン金沢とアウェーの石川県・金沢で対戦する。現在、ツエーゲン金沢は10勝5敗12分勝ち点42のリーグ第5位。アビスパは、11勝7敗9分勝ち点42の第6位。
勝ち点は両クラブ並んでいるものの、得失点差で順位がツエーゲン5位、アビスパ6位となっている。前回対戦は19節6月21日で、2-0でツエーゲン金沢が勝利している。セットプレイからの得点力にストロングポイントがあるツエーゲン金沢。さらにリーグ首位の大宮アルディージャ、同8位V・ファーレン長崎に次いで失点が少なく(22失点)と1試合平均失点が0.81と堅守を誇る。そしてアビスパに優るとも劣らないハードワークでゲームマネジメントを実践する、安定した戦いぶりが特徴である。
アビスパは、直近3試合負けがない(1勝2分)。ただし、26と27節のバトルオブ九州の試合(V・ファーレン長崎、大分トリニータ戦)は、攻守ともやや消化不良に終わった感が残った。ハードワークを維持しながらゲームをマネジメントしていたものの、戦術面でのオプションがフィットしなかったのか、意志統一不足であったのか、諸々要因は考えられる。
特に前節に来日初得点をあげたFWウェリントン選手は高さがあり、空中戦には優位である。アビスパは、比較的ロングボールを入れての攻撃パターンを採用している。フィットすれば最前線からの得点が狙えて効率的な戦術で、相手DFには驚異となる一方、その最前線の選手とサイドの選手の負担が増し、またカウンターアタックを仕掛けられ一気にピンチに陥るケースが多い。ロングボールを使う戦術も必要であるが、これだけに依存するのはリスクが高い。「リスクを冒さなければ成果が生まれない」ということも確かである。一方で、現状のアビスパの選手の特徴を見ると、全員がハードワークを実践している。豊富な運動量を駆使しながら、細かなパスをつなぎ、ボールをキープしながら相手の陣形を崩していくことが、より効果的であるように感じられる。ボールの保持率を高めながら、相手陣形の変化を見ながら、機をじっくり待ち“その時”が来たら最前線へ積極的にボールを集めて相手ゴールに迫ることが、堅守のツエーゲン金沢を崩せるように思う。
前節も、ショートパスのつなぎから攻撃のリズムをつくり、主導権を握ることができた。ツエーゲン金沢の守備の体制や戦術にもよるが、アビスパの攻撃をより効果的に生かすには、つなぎのスタイルでの攻撃によりチャンスが数多く生まれ得点できるだろう。アビスパの秀逸なハードワークなパフォーマンスを最大限披露していただきたい。
【河原 清明】
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